【文スト】続々・ネットでマフィアの首領と友達になってた件

群軽編-第二話- ページ15

横浜ビル群の一角にある高層ビル。一階から最上階までを丸々陣取っているのが、被害者の職場だった。アドベンチャー企業らしく、株式ではあるが、各部門ごとの職員は少数だという。なんなら、職場に娯楽施設があるとかないとか。

「すいません、二時からアポイントをしている武装探偵社ですが」

国木田が代表として、受付の女性に話す。そうすると、受付の彼女は少々待つように告げると、社内電話を取った。待つ間、ちらりと後ろに視線をやり、共についてくることになった相方を見ると、いつも通り掴みづらいひょうひょうとした態度をしていたが、何処かめんどくさいといった様子も感じ取れた。そういえばと、行く前を思い出す。江戸川に告げられた彼女の会社名を見ると、太宰は驚いた様子を少なからず見せていた。江戸川の指名で行くことになったのだが、若干拒絶を見せていたのを思い出す。

「お待たせしました。案内の者が参りますので、彼についていってください」

再び笑顔で接客をする彼女にやや尊敬しつつ、それからともなくしてやってきた案内係の男について、エレベーターへと乗った。エレベーターは5階に止まり、降りるように告げられる。そこからガラス張りの仕切りに、ブラインドが降ろされた道を横切り、そのまま白いドアの部屋へと連れて来られた。

「こちらです」

そのまま男は、ドアを軽く叩くと、部屋から男の声でいいよと気の抜けるような声音が返ってきた。ドアノブが拗じられ、廊下よりも明るい光が差してくる。

部屋の中は応接間というにはあまりにも殺風景だった。ど力といえば、小会議室といったほうがいい。ドアから離れた席に、ややひょろっちい体つきの男が座っていた。その視線は手元のノートパソコンへと注がれたままだ。

「社長。武装探偵社の方がお見えになりました」

社長と呼ばれたその男は、顔を上げて、にこやかに笑った。そして立ち上がると、国木田達の前へとやってくる。

「ようこそ、武装探偵社様。社長の高田大翔です」

そして、国木田の後ろに立つ太宰を見ると心底嫌そうな顔を浮かべた。

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