【巨大企画】愛する君へ【実/.況.者】 (ページ10)

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「その人が俺を好きでも、俺には関係無い。

俺が好きなのは、Aさんだから。」

と、まるで私しか見えて無いような目で、言った。

その深い緑色をした、綺麗な瞳は私をじっと捉える。

『分かった！分かったから！』

「え…Aさん？」

『ご、ごめん… こんな事、初めてで…』

気付けば、私の目から涙が流れていた。

悲しいとかそう言うのではなく、とっても嬉しくて感極まって涙が出てきた。

「俺…また、迷惑掛けちゃった…かな？」

えおえお君は、クシャっと顔を歪める。

なんで、彼が悲しそうな顔をするの。私が迷惑掛けているのに。

『そんな事無いよ… 私が迷惑掛けてる。』

涙を拭っていると、えおえお君に抱き締められる。
暖かい温もりが、私を落ち着かせる。

「泣かないで。俺、Aさんの事悲しませたくないの。」

そう言って、抱き締める力が少し強くなった。

その力は、えおえお君の気持ちが、込められているような気がしてならなかった。

「嫌なら言って。諦められるから…」

『…無理だよ。えおえお君に、悲しんでほしくない。』

「えっ…じゃあ…」

えおえお君の温もりが離れる。

でも、想いを応えなきゃいけなかった。

『うん。頑張って隣に居られるように、頑張る。』

「それはこっちの台詞。 …Aさん、これから宜しくね？」

ふわりと優しい笑顔が私に向けられた。