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［ごめん、今日から１週間だけ出社勤務になったんだよね］
夕方には退勤できたからマネージャーの車ではなくて
自分の足で宿舎からAの家まで来た。
なのに、普段は在宅勤務のさちが今日は家にいなくて
連絡してみたらこの通り。
［鍵忘れたの？入れないならちょっと待ってて。
私ももう電車乗るところだから］
MK［いや、正直もう家の中にはいるんだけど、］
［じゃあなんで連絡してきたの？］
MK［だって、いないから］
合鍵は持っているから家には入れるし
俺だって一人で留守番できない訳ではないんだけれど
Aがいない家に行くのが久しぶりで
何も言わずに留守にしたAに少し戸惑って
いつの間にかさちの名前をスマホの連絡先から探して
通話履歴の割と浅いところにあったその番号に発信した。
帰ったら飼っている犬が
突然いなくなった時の飼い主の気持ち、
いいや、家主はAだから、
帰ったら飼い主が
突然いなくなっていた時の犬の気持ちなんじゃないかな。
MK「・・・俺、Aの犬ってこと？」
シャワーを浴びながら思わず出た独り言が
浴室によく響いて、
何でこんなこと考えているのだろうと
我に返って首を横に振る。
ただ、実際に実際の俺を客観視してしまったら、
飼い犬という表現がしっくり来た。
ここにきたら大体いつも、ご飯を食べさせてもらって、
仕事をする彼女の横でおとなしく昼寝をしてみたり
少し離れてダイニングテーブルで自分の仕事したり
飼い主の家で気ままに暮らす犬。
それが、彼女にとっての
"イマーク"なのかもしれない。
AのいないAの家は暇だった。
シャワーを浴びて、ビール1缶を飲んで、
腹が減って、冷蔵庫を漁るだけ漁って諦めて、
Aが弾かなくなったアコースティックギターを
膝に乗せて指で弾いて
メンテナンスされていない、少し褪せた音色を奏でる。
MK「正直、Aがいてもいなくても同じなんだけど」
「……何？私の家なのに？」
MK「や、いつからそこにいた？」
「私が質問してるんだけど？」
MK「俺も聞きたかったから、」
「私がいないだけで
非常事態みたいな電話してくるのはもうやめてよ？」
MK「でも、正直、いつからそこにいた？」
「私の家なんだから、いついてもいいでしょ。」
MK「いや、うん、そうなんだけどさ
俺が言いたいのは、正直若干、そういうんじゃなくて、」
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玄兎(プロフ) - ララさん» わおわおわおわおわお、WOW！すみません試し読みの作者と下書きの主人公さち子がコピペでそのまま登場してしまってましたTTご指摘ありがとうございます。そしていつもお読みいただきありがとうございます♡ (7月1日 0時) (
レス) id: 962c4be846 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます❤️ 名前変更はできなくなってしまったんでしょうか？？ (7月1日 0時) (レス) id: c90c2110f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玄兎
| 作成日時：2023年5月31日 20時
