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そしてその日は来た。
先輩方の送別会。
ド新人の俺は断る理由も術もないので
この後定時にマーク先輩とドンヒョク先輩と会社を出る。
MK「ヌナ、今回は残念ですね。」
DH「ヌナ酔ったら可愛いのに残念笑」
「いつもは酔ってなくて悪かったね。」
DH「いや、いつも可愛くないってわけじゃなくて！」
何となく、空気というか、雰囲気でわかったことがある。
マーク先輩がA主任を守るのは
親友のドンヒョク先輩が主任を好きだからであって
MK「じゃあ、俺ジェヒョニヒョンたちと乗って行く。
お前、ヌナのこと乗せてスーパー寄ってあげなよ。」
「え、いいの？」
DH「うん。俺家に車置いて電車で向かう。
代行よりもタクシーの方が安いし
ジュンミョニヒョンの家寄ってから
ヌナの家に送ればいいんだよね？」
「いや、スーパーで下ろしてくれたらいいよ。」
DH「子どもたちも乗せていった方が早いでしょ。」
「いいの？早く向かった方がいいんじゃ、」
DH「いいの。大人しく言う通りにしなさい。」
「ありがと笑」
ドンヒョク先輩は好きとかそんな素振りは見せないし
時々、"もう諦めてる"的なことを仄めかすけど
DH「お茶くらい出してよね？」
「はいはい笑」
主任と話してる時、この上なく幸せそうで
DY「これ、子どもたちに。」
「嘘？いいの？」
DY「うん。お前だけ行けないのもなんだし
さっき買ってきたんだ。ヒョンも飲み会なんでしょ？」
「ありがとう。みんなドーナツ大好きだから喜ぶよ！」
ドンヨン主任に取られた瞬間
シュンって音が聞こえそうなくらいに
耳と尻尾が下がる。
……俺みたいに。
MK「ジョンウヒョンもビールでいいですか？」
JW「なんでもいい！ていうかごめんね、俺が下っ端なのに。」
MK「ヒョン、韓国人なのに知らないんですか？
ここは酒の場。経歴じゃなくて年功序列です。」
JW「ははっ、カナダ人なのによく知ってるね笑」
乾杯から2杯目。
ドンヒョク先輩はまだ合流していない。
TN「お前さ、次俺らが帰ってくるまでに
Aのこと取っ捕まえろよ？」
DY「いや、別にそんなんじゃないですって！」
TN「えーい！入社式から、いいや、
その前の内定懇親会から好きだったくせに」
DY「お前まじ、……まだ酔ってもないくせに、はぁ、」
もう三杯目が空きそう、
DH「お待たせ。俺ハイボール！」
遅れてやってきた先輩は
妙に幸せそうで、
DY「……お疲れ。ありがとな。」
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作者名：玄兎
| 作成日時：2024年1月24日 14時
