#Sunset ページ10
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あの時は知らなかった。
彼が既婚者であること。
弟が彼の部下になること。
"綺麗なマンションだろ？海が見えるんだ。"
住み慣れたソウルを離れて、2人でやり直そうって
そう言っておきながら、簡単に捨てられることも。
何にもわかってなかったんだ。
MG『主任が不倫してたなんて……
奥さん綺麗でいい人なのに、相手の女も白々しいよね』
ミンギュにそう言われた時、ハッとした。
それで懲りてやめたら良かったかな。
いや、辞められるならもっと早く辞めておけば、
孤独な釜山で、1人苦しく泣かなくても良かったのに。
JS「何時上がり？」
「え、あ、えっと、」
店長「この子今日は23時までだけど」
「え？」
JS「じゃあ、終わる頃に迎えに来るね。」
「え、」
JS「あ、これ。今朝花屋の前を通って
Aさんが思い浮かんで、……受け取って欲しい。」
「…あ、え、はい。」
突然のことで思考が回らなかった。
だって、昨日は
"LAに帰るんだ。で、ソウル以外も見てみようかなって"
そう言ってたから、
ジスさんなら、誰にも言わずに
LAまで持って帰ってくれると思った。
なのに、
店長「嘘だよ。シフト通り18時まで。
お兄さんイケメンだから
特別にうちのスタッフへのナンパ許してあげる。」
今日もジスさんが来て、
可愛らしい花束までくれた。
st「さっきの紳士が不倫相手？」
「まさか笑 ジスさんはそんなことしないですよ。」
st「じゃあ、オンニを奪ってくれる王子様？」
「まさか笑 ジスさんはそんなこと、、」
もしかしたらって思っている自分がいた。
自惚れみたいだけど、
彼が好意を抱いてくれていることは知ってたし
それを知っててミンギュが私にゴリ押ししてさ、
でも、不倫相手に捨てられて、可哀想とも言えない私を
彼の優しさで埋めるのは申し訳なくて
このあと仕事が終わって彼と会う時
どんなことを話せばいいのはわからなくて
空っぽの緊張のまま、コーヒーにクリームを注ぐ。
st「シスコンのイケメン弟に嘘ついてまで
不倫相手について来ちゃうんだもんなー、
ヌナ、さっきの人逃したら一生愛人枠かもよ？」
バイト先の学生たちは、
"経験者"として私を冗談にして笑ってくれる。
そのおかげで、私も早く笑い話にできそうだったけど、
でもやっぱり、
この空白を誰かで埋めるのは
愛情よりも申し訳なさで溢れそうで
まだ新しい恋は考えられそうにない。
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玄兎(プロフ) - リリィさん» 嬉しいコメントありがとうございます。作者のリアル大人の事情で更新止まっちゃってますがそのうち続き書きますのでお待ちくださいませ♪ (10月8日 10時) (
レス) @page18 id: 3e814a21c2 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 大人な事情とちょっとほろ苦い恋の味が綺麗に描かれていて好きでした。シュアもハニちゃんも好きな私からしたらとてもハッピーです。次回の作品も楽しみに待ってます！ (10月8日 3時) (レス) @page18 id: 4664616c0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玄兎
| 作成日時：2023年9月5日 11時
