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銀杏並木を歩いて、去年の秋
黄色のストールをお気に入りにしていた彼女を思い出した。
店でジョンハンの傘を預かったその次の日。
朝イチの便に乗って、LAに帰っていたせいで何も知らなかった。
JS『・・・ついて行ったってこと？』
SC『うん。』
また帰ってきたら会えるだろうなんて期待してた分、
彼女がこの町にいないってこと、
それを俺だけ知らずにいたことがショックでさ、
週５のバイトを週３に減らした。
娘が生まれたばかりのスンチョルには申し訳なかったけど
これはLAに帰る前から考えていて、スンチョルにも伝えていた。
JS『俺、LAに帰ろうと思ってる。』
SC『へぇ、どれくらい？』
JS『ん〜、60年くらい？』
SC『・・・あ、え、そういうこと？』
別にシフトはそのままでもよかったのに、
Aさんが来ないんだって思ったら
毎日出勤して待ってなくてもいいでしょ？
まぁ、俺が抜けた状態でも店回るようにって言ってるのは
大義名分のようだけどただの見せかけだよね。
JS「わぁ、海でけぇ。」
まだ帰る時期は未定だけど
おそらく年明けかな。
秋の冷たい風が吹く釜山に来たのは、
もう韓国に戻ってこないつもりで、
まともに観光してみようかななんて思って。
JS「・・・、Aさん、？」
まさか、ここにいるなんて思ってもなかった。
「・・・もしかして、ジスさん？」
ミンギュ君からは転勤って聞いてたけど、
こっそり退職していたようで
観光客向けのカフェでバイトしてた。
「ジスさんはおそらく知ってますよね、」
JS「ミンギュ君の上司の件で合ってる？」
「・・・うん。離婚するって言ってもらえて
全部捨ててきたの。
・・・でも、来てみたら奥さんもついてきてて」
馬鹿だな。そんな男にどうしてそこまで、
「このこと、ミンギュには内緒にしてもらえますか？」
その日は、苦く微笑むだけで精一杯だった。
でもやっぱり
仕事も、人間関係も捨てて彼に賭けた彼女をおいて帰るなんて、
JS「Aさんいますか？」
店員「えーっと、」
JS「今日出勤してますか？もしいなかったらいいんですけど、」
店員「店長、なんか変な人が、」
出勤かどうかも知らないような男が
花束もって女性スタッフに会いに来たなんて
まぁ、不審がられて当然だよな。
「ジスさん？」
休憩戻りだったようで、
彼女はエプロンの紐を結びながらカウンターに姿を現した。
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玄兎(プロフ) - リリィさん» 嬉しいコメントありがとうございます。作者のリアル大人の事情で更新止まっちゃってますがそのうち続き書きますのでお待ちくださいませ♪ (10月8日 10時) (
レス) @page18 id: 3e814a21c2 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 大人な事情とちょっとほろ苦い恋の味が綺麗に描かれていて好きでした。シュアもハニちゃんも好きな私からしたらとてもハッピーです。次回の作品も楽しみに待ってます！ (10月8日 3時) (レス) @page18 id: 4664616c0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玄兎
| 作成日時：2023年9月5日 11時
