Story.26 ページ29
dt side.
「お邪魔します……」
ここは、とあるマンションの一室。
もらった合鍵を使って部屋の中に入ると、綺麗に整理整頓された部屋と、ソファに敷かれた小さな布団に眠る男の子に出迎えられた。
「失礼します……うわ、すごい熱」
眠っている男の子を起こさないようにおでこに手を当てると、自分の体温よりも遥かに熱いことが分かる。幼児だからというのもあるんだろうけど、これは明らかに高熱を出している。
「すぐお粥作るから待っててね……と」
これは思っていたよりも急がないといけない、と思い、すぐにキッチンに用意した食材を並べる。足りない分は冷蔵庫から多少拝借しよう。
風邪を引いている五歳児でも食べられそうなある程度のご飯を作り、眠っている男の子を起こす。
「真都くん、起きられる？」
軽く肩を叩くと、「んぅ……」という何とも可愛らしい声と共に、布団からむくっと起き上がる男の子こと、真都くん。
今日は高校時代の友人に頼まれて、彼が仕事に行っている間、風邪を引いている真都くんの面倒を見ることを頼まれたのだ。
「……あれ、だてお兄ちゃ…？」
「そう。舘お兄ちゃんだよ」
大体週に一度くらいのペースでこの家にも訪れているから、真都くんにも認知されて、今では真都くんのお兄ちゃんになってるんだけどね。
「パパ、おしごと？」
「そう。でも、真都くん風邪引いちゃったから、早めに帰ってくるって」
「やったぁ！」
これ食べ終わったらぬいぐるみ遊びしよ、という真都くんにうなずきつつ、俺は使った調理器具の片付けに向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 451人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (1月17日 21時) (
レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
葵 涼翔(プロフ) - ℛさん» 嬉しい感想、ありがとうございます！現在続きを書き溜めしている途中ですので、ぜひ楽しみにしててもらえると幸いです！ (12月5日 12時) (レス) id: e32b23911b (このIDを非表示/違反報告)
ℛ - めちゃくちゃ好きです、続き待ってます！応援してます (12月4日 18時) (レス) @page30 id: c3fc1ccfa6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 涼翔 | 作成日時：2023年10月27日 14時
