Story.21 ページ24
mm side.
「なぁなぁ、なんかお話せえへん？」
食べ始めてから一時間くらい経ち、休日だからかカフェもほぼ満席になった頃。向かいに座る康二が、少し寂しそうな顔をして言った。
どんな話をすればいいのか分からないのと、シンプルに舘さんの料理がめちゃくちゃ美味いので、すっかり会話を忘れて食べることに集中してしまっていた。あまりに会話がなくて康二が不安になってしまったのは申し訳ない。だけど、その顔も可愛い……。
でも、そうだな、会話か……、と考えて、俺は一つの考えに思い至った。
「……康二、恋バナしない？」
「せやな、恋バナしよか。……恋バナ？！」
あやうくベリーサイダーの入ったグラスを落としそうになった康二が、咳き込みながら「中学生かい！」と叫ぶ。
「いや、なんか康二がこれまでどんな恋してたのかなー、って気になって。
じゃあさ、康二今彼氏とか、彼女とかいる？」
普通の人だったらすぐに分かるほど下心しかない質問を投げかけると、「いや、おらんけど？」と返された。
「それこそ、めめの方がいそうやん！どうなん？」
心の中でガッツポーズを決めつつ、俺は「いや、俺はいないよ」と答える。
「まあ、周りの俳優さんや女優さんに彼氏や彼女がいる……みたいな話は聞いたことあるけどね」
そう言うと、康二が好奇心に輝かせた目を見開く。「ほんならスキャンダルだらけやん！」
「逆に康二は？康二もほら、カメラマンさんだし、そういう話とか聞いたことあるの？」
思わず好奇心が出てしまい、そう尋ねると、「そうやな……」と、顎に手を当てて考えるような仕草を見せ、「あ！」と声を上げた。
「芸能人さんとかやないけどな、それこそ舘さん、めちゃめちゃかっこいい恋しとるんやで！」
「かっこいい恋？」
「そう！なんかな、運命の恋！みたいな感じなんよ。……あ、そろそろデザートのお願いしてくるな！」
『運命の恋』というロマンチックなワードにさらに好奇心を誘われたところで、康二がキッチンの方へと消えていく。
「運命の恋、運命の恋……かぁ」
康二が戻ってきたら、詳しく聞いてみよう。
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苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (1月17日 21時) (
レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
葵 涼翔(プロフ) - ℛさん» 嬉しい感想、ありがとうございます！現在続きを書き溜めしている途中ですので、ぜひ楽しみにしててもらえると幸いです！ (12月5日 12時) (レス) id: e32b23911b (このIDを非表示/違反報告)
ℛ - めちゃくちゃ好きです、続き待ってます！応援してます (12月4日 18時) (レス) @page30 id: c3fc1ccfa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 涼翔 | 作成日時：2023年10月27日 14時
