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*続39
海人くんや松倉、それに松倉の友達の子のいる場所に戻ると、まもなく試合が始まるところだった。
相手チームのキックオフから始まった試合は、前半からパスサッカーを得意とするうちの攻撃が光る展開になった。
エースの元太くんは、今大会最も注目されている選手のひとりらしく、相手の執拗なマークで思うように身動きが取れないようだった。
元太くんの足元にボールが渡るたび、割れるような歓声が上がったけれど、鉄壁の守りの中を突破するのはさすがの元太くんでも容易ではなく、スコアレスドローで前半を折り返した。
「めちゃくちゃ引いてるな、向こう」
「あれだけ引かれたら攻め手がないよなぁ」
「でも防戦一方とも言える。チャンスは絶対ある」
「だな。元太、走りまくってたけど体力残ってるかな」
男の子たちは、真剣な眼差しで前半の振り返りをする。
みんな、元太くんがゴール前でガッツポーズを決める姿を、何よりも期待している。
「ちゃかから見てどうなりそう？この試合」
海人くんが言った。
「サッカー経験者じゃん？」
「あ、そうなんだ」
「うん。あ、クラもだっけ」
「いや、俺は本当、そんなレベルじゃなくて....」
はは、と笑った後、その笑った顔を180度覆すような鋭い目つきで宮近くんは言った。
「大丈夫だよ。後半は体力も落ちて、お互い足が止まってくる。相手も守ってるだけじゃ勝てないから、一か八かで攻めるしかなくなってくる」
「ほう」
「元太は後半に備えてうまいこと力を抜いてたし、スピードもある。足元もうまい。ただ、前半何本かシュートを撃ってたけど、全部枠外だった。そこを軌道修正できれば、必ずどこかで入るはず」
あまりに的確な宮近くんの分析に、海人くんも松倉も、「なるほど」と噛み締めるだけだった。
宮近くんて、きっとサッカーが好きなんだろうな。
怪我で辞めることになってしまって、相当悔しかっただろうな.....。
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えみゅ(プロフ) - ターンカッピさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです☆これからも引き続きよろしくお願いします。 (2023年2月22日 12時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ターンカッピ(プロフ) - つい最近読み始めて最新話まで一気読みしたのですが、えみゅさんの文章の書き方が読みやすくて好きです(*´∀｀*) (2023年2月22日 2時) (レス) @page31 id: 9f8ba39594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えみゅ | 作成日時：2023年2月7日 22時
