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『それでも来てくれる？』
「勿論！元太くんのためだもん。......私より、松倉のほうが嫌がらないか心配だけど」
『嫌なわけないじゃん』
元太くんはキッパリと言い切った。
まるで、本人がすぐそばにいるかのように、キッパリ、ハッキリと。
私と距離を置くことにしたという話は既に聞いているのだろう。
海人くんが言っていたように、相変わらずふたりは仲がいい。
『Aさんは......大丈夫？』
「私は大丈夫だよ」
『本当？こないだカフェテリアでさ、俺のこと無視したでしょ。海人くんは手振ってくれたのに』
「う......ごめん」
やっぱり、気づかれていたのか.......。
なんとなく、そんな気はしてたけど。
『いや、俺のほうこそごめん。意地悪な言い方しちゃったね』
「.........」
『いろいろと仕方ないって俺もわかってるからさ。その......大人の事情、ってやつ？』
「ごめんね......最近松倉と会ってないから、どんな顔していいかわかんなくて......」
『だよね。海人くんも一緒だったしね』
元太くんて、普段はあんなに無邪気なくせに、ときどき妙に空気を読むところがある。
その敏感さに助けられたり、申し訳なくなったり。
私のほうが年上なのに、いつも甘えさせてもらってる。
「松倉は元気にしてる？」
『うん、元気にしてる。てか、カラ元気』
「そう......」
無理して笑う松倉の姿は容易に想像がついた。
本当に楽しいときや嬉しいときのあの甲高い笑い声は特徴的だから、そうじゃないときの作り笑いは、すぐにわかる。
『まったく。不器用すぎんだよ、あの人』
「......そうだね」
『また前みたいに戻ってほしいなって思ってるよ、俺は』
「うん」
『Aさんも無理しないでね』
「うん......ありがとう」
電話を切って、また歩き出した。
待ち合わせ場所のコンビニに着くと、海人くんはもう来ていて、雑誌コーナーで立ち読みをしていた。
「ごめんね、待った？」
「ううん。今来たとこ」
「何読んでるの？」
海人くんの広げていた雑誌を横から覗き込むと、誌面には、私のあまり見たことのないような表情の海人くんがいた。
「......初めて見たけど、なんか不思議な感じ」
目の前にいる本物の海人くんと誌面の海人くんを見比べて、思わず呟いた。
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えみゅ(プロフ) - ターンカッピさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです☆これからも引き続きよろしくお願いします。 (2023年2月22日 12時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ターンカッピ(プロフ) - つい最近読み始めて最新話まで一気読みしたのですが、えみゅさんの文章の書き方が読みやすくて好きです(*´∀｀*) (2023年2月22日 2時) (レス) @page31 id: 9f8ba39594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えみゅ | 作成日時：2023年2月7日 22時
