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「大丈夫だった？クラ」
「うん。なんとか」
「なんかさ、操作ミスだったんだって」
聞くと、スタッフさんが間違えてブレーカーを落としてしまったようで。
俺から離れて様子を見に行った彼女が、ゴール付近で海人と出会い、一緒に外へ出たところで、待ち構えていたスタッフさんから説明があったらしい。
「まじでびっくりしたよねー」
そう言う海人はトラブルさえも楽しんでいそうで、本当、羨ましい性格してる。
「Aちゃんも大丈夫？クラとはちゃんと会えたんだね」
「うん。ごめんね、勝手なことして」
「全然いーよ。なんか入れ替わっちゃったけど、一緒にゴールしてくれたからね」
海人に笑顔を向けられた彼女は、「そうだね」と笑顔で返していた。
Aや海人には勿論、彼女にも迷惑をかけてしまった。
俺の余計な強がりで一番被害を被ったのは、間違いなく彼女だ。
でも、海人が一緒にいてくれたのなら、それはそれでよかった。
こんなところでひとりにするなんて、さすがに申し訳なさすぎるから。
「ありがとな、海人」
素直な気持ちを口にすると、海人は要領を得ていない様子。
そんなことはかまわずに、続けた。
「俺ら行きたいところあるから、もう行くね」
「あ、そうなんだ」
「うん。Aもありがとね。それじゃ」
「えっ、......うん」
「行こう」と彼女に声をかけて、ふたりと別れた。
「なんか、ごめんね」
俺が言うと、彼女は首を横に振った。
宛もなく園内を歩いて、疲れてきたところで、なんとなく座ったベンチ。
なんだか急にいろいろなことが起こって、まだ頭が冷静になれずにいる俺に、彼女は何も聞いてはこなかった。
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えみゅ(プロフ) - ターンカッピさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです☆これからも引き続きよろしくお願いします。 (2023年2月22日 12時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ターンカッピ(プロフ) - つい最近読み始めて最新話まで一気読みしたのですが、えみゅさんの文章の書き方が読みやすくて好きです(*´∀｀*) (2023年2月22日 2時) (レス) @page31 id: 9f8ba39594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えみゅ | 作成日時：2023年2月7日 22時
