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( ﾏﾂｸﾗ
*続29
「......あ、電気が......」
ふと、Aの顔がハッキリと見えるようになって、頭の上の電球が復活したことに気づいた。
さっきの不気味な音楽もまた鳴り始めた。
辺りを見回すと、ついさっきまでの状態に戻っていた。
何があったのかはわからないけれど、とりあえず、トラブルは終わったみたいだ。
「よかったね......」
安堵したように目の前で微笑むAを見て、
"このままそばにいてはいけない。"
直感でそう思った。
まだ俺の背にあったその手をさっと離して、一歩後ろへと後ずさった。
キョトンとして見つめてくる目を見ないようにするために、顔を背ける。
そのままひとりで立ち上がって、服についた砂のような物を払った。
電気が復活したといっても、基本的には暗闇というのが、ここにきて俺の助けになった。
「待っててくれてありがとな」
「うん......」
「とりあえず行こっか」
「そうだね......」
とにかく距離を取らなきゃ。
こんなに近くにいたら、何をしてしまうか、自分でもわからない。
立ち上がろうとするAに手を差し伸べると、何の迷いもなく握られて、ドキンと心臓が跳ねた。
手が触れた。指が絡んだ。
海人とそうしていたのを見て湧き上がってきた嫉妬が、形を変えて、胸を昂らせる。
だから、無事に立てたことを確認して、すぐに手を離した。
「......よし、行くか」
あの恐怖心は嘘のように、なくなった。
それよりも酷い胸の痛みが俺を支配して、もうそれどころじゃなくなっていた。
入ったときとは別人のような迅速さでゴールまで辿り着くと、外で海人と俺の連れである彼女がふたり揃って待っていた。
「おかえり〜」
ニコニコと笑いながら海人が言う。
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えみゅ(プロフ) - ターンカッピさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです☆これからも引き続きよろしくお願いします。 (2023年2月22日 12時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ターンカッピ(プロフ) - つい最近読み始めて最新話まで一気読みしたのですが、えみゅさんの文章の書き方が読みやすくて好きです(*´∀｀*) (2023年2月22日 2時) (レス) @page31 id: 9f8ba39594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えみゅ | 作成日時：2023年2月7日 22時
