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( ﾏﾂｸﾗ
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Aと一緒にいたくて取っている講義が、いくつかある。
その講義の時間はいつも、俺らは当たり前のように隣同士で座っている。
その当たり前が、こんなにも居心地悪いと感じるようになるなんて、思ってもみなかった。
ふられるって、つまり、こういうこと？
「先生、今日も遅いね」
教科書を机の上に揃えながら、Aが言った。
ここの先生は、いつもギリギリにならないと入ってこない。
集まった生徒たちはそれを熟知していて、あちこちで束の間のお喋りタイムを楽しんでいる。
もともとろくに聞く気もなかった講義だけど、今日は、まともに聞いてみようかな。
あんまりAばかりを見ているわけにもいかないから......そんなことを思って、ふと寂しくなった。
「......そうだ、」
「ん？」
「昨日、元太くんに会ったよ」
「あー、うん」
「びっくりしちゃった。急にボールが転がってきたと思ったら、元太くんが追いかけてきて」
こっちにおいでと誘ったけど来なかった、ってやつね。
来なかった理由は......思い当たるような、当たらないような。
「元太、声かけたけど行っちゃった、って言ってたけど」
「うん」
「なんか急ぎの用でもあったの？」
「まあ、そんなとこ」
「そっか」
仮に、俺と海人の名前を出されたから来なかったとして、原因はどっちなんだろう。
俺？それとも海人？
それか、両方？？
......まあ、本当に用があったのかもしれないけど。
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作者名：えみゅ | 作成日時：2023年1月13日 22時
