- p l a n e t - #2 (ページ8)

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無事にゲートのロックは解除され、薄暗い駐車場の中に入り込んだ。

来客用のスペースに停めて、改めて助手席を見ると、お姫様はまだ眠ったまま。

こんなにじっくりとAの顔を見るのは久しぶりだ。

入院明けで、殆ど化粧もせず、素に近い顔。

それでも印象的な、長くて艶のあるまつげ。

ちょこんと低い鼻のことは、つき合っていたときに、本人が随分気にしていた。

品のいい形の、血色の良い唇は、Aの顔の中で俺が特に好きなパーツだった。

こんなに近くで見つめていても、誰にも邪魔されない。

丸にも、A本人にだって遠慮はいらない。

狭い車内のこの空間は、俺ひとりのもの。

今この瞬間のAは、他の誰でもない、俺だけのものだ。

「...A...？」

顔を近づけて、小声で呼びかけてみる。

「着いたで。...おまえと、丸んちに」

少し待ってみても、反応はなかった。

だから...

俺の好きだったその唇に、キスをした。

息を止めて、５、数えて。

離れ難さに胸が痛んで、また５、数えて。

「.....、」

そうしているうちに、触れていた唇が震え出した。

そっと離れると、Aの目が開いている。

「...起きた？」

「.....」

放心状態のその目と、目が合った。

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