検索窓
今日:57 hit、昨日:19 hit、合計:6,338 hit

. ページ37

.




「その後、うみはどお?」

「おかげさまで、元気にしてます」

「よかったー。次は来月やったかな」

「はい。うみも神山先生に会えるのを楽しみにしてます」

「わ、神山先生だって!」




神山くんの隣から、囃し立てるように樹くんが口を挟んだ。




「そらそやろ。俺、先生やもん」

「いーなー。俺も先生って呼ばれてみたいなー」

「樹は何の先生なん?」

「え?えっと俺はねー、俺はー」

「ねーねーAちゃん。どーだった?樹のライブ」




深澤くんがAに声をかけると、「そうだ!」と樹くんの目が輝き出す。

その目で見つめられたAは、樹の勢いに押されて、目をぱちぱちと瞬かせた。




「ライブ、来てくれたんだよね?」

「は、はい。行きました。神山先生にチケットをいただいて......」

「ありがとね!どーだった?楽しめた?」

「はい。すっごく楽しかったです」

「まじ?嬉しーわぁ」

「あんな感じのライブに行くは初めてだったんですけど、もう、本当に楽しすぎて。あの後すぐに、何曲かダウンロードしちゃいました」

「まじで!」

「はい。お気に入りリストに入れて、家でもずっと聴いてます」

「えっ......ちょっと待って。ねー、海人!」




急に話を振られて、俺は飲もうとしていた烏龍茶のグラスを慌てて口から離した。




「はい、なんすか?」

「おまえの彼女さん、サイコーすぎない?」

「え、」




樹くんの口からサラリと出た言葉に、不意を突かれて思わず固まってしまった。

俺以外のみんなもそれは同じだったようで、視線が一気に樹くんの元に集中する。




「......え、何?違った??」




キョトンとする樹くんに、「違わないけどさ」と、深澤くん。




「で。海人?」

「は、はい」

「ちゃんと報告してくれるんだろ?」




深澤くんの目が俺、A、それからまた俺という順番で動く。

一点集中だったみんなの視線も、樹くんから俺へと移った。




「あの、えと.......先週話してた、Aです」




手のひらで隣のAを指すと、みんなが深く頷いた。

Aは畏まったように背筋をのばし、揃えた膝の上に両手をきちんと置いた。




「うちの職場の、同僚で......」




ワンクッション置こうとすると、すかさず神山くんから「同僚?」とツッコミが入る。

それで意を決し、「彼女になりました」と俺が言い切った途端、わぁっという歓声と拍手が起こった。







.

.→←36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
設定タグ:travisjapan , 中村海人 , 宮近海斗   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

えみゅ(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます⭐️私もこのメンバーが好きで...またいつか書きたいなぁと思っちゃいました。虎といるときとはちょっと違ううみくん、かわいいですよね(^^) (4月30日 9時) (レス) id: bb58f65b86 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!HGLのとくに好きな仲間たちだったので嬉しかったです☺️うみくんの後輩力は素晴らしいですよね!可愛がられる素質があるというか!そんな可愛らしさもお話にぴったりでした✨ありがとうございました! (4月29日 10時) (レス) @page43 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:えみゅ | 作成日時:2024年3月7日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。