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「その後、うみはどお?」
「おかげさまで、元気にしてます」
「よかったー。次は来月やったかな」
「はい。うみも神山先生に会えるのを楽しみにしてます」
「わ、神山先生だって!」
神山くんの隣から、囃し立てるように樹くんが口を挟んだ。
「そらそやろ。俺、先生やもん」
「いーなー。俺も先生って呼ばれてみたいなー」
「樹は何の先生なん?」
「え?えっと俺はねー、俺はー」
「ねーねーAちゃん。どーだった?樹のライブ」
深澤くんがAに声をかけると、「そうだ!」と樹くんの目が輝き出す。
その目で見つめられたAは、樹の勢いに押されて、目をぱちぱちと瞬かせた。
「ライブ、来てくれたんだよね?」
「は、はい。行きました。神山先生にチケットをいただいて......」
「ありがとね!どーだった?楽しめた?」
「はい。すっごく楽しかったです」
「まじ?嬉しーわぁ」
「あんな感じのライブに行くは初めてだったんですけど、もう、本当に楽しすぎて。あの後すぐに、何曲かダウンロードしちゃいました」
「まじで!」
「はい。お気に入りリストに入れて、家でもずっと聴いてます」
「えっ......ちょっと待って。ねー、海人!」
急に話を振られて、俺は飲もうとしていた烏龍茶のグラスを慌てて口から離した。
「はい、なんすか?」
「おまえの彼女さん、サイコーすぎない?」
「え、」
樹くんの口からサラリと出た言葉に、不意を突かれて思わず固まってしまった。
俺以外のみんなもそれは同じだったようで、視線が一気に樹くんの元に集中する。
「......え、何?違った??」
キョトンとする樹くんに、「違わないけどさ」と、深澤くん。
「で。海人?」
「は、はい」
「ちゃんと報告してくれるんだろ?」
深澤くんの目が俺、A、それからまた俺という順番で動く。
一点集中だったみんなの視線も、樹くんから俺へと移った。
「あの、えと.......先週話してた、Aです」
手のひらで隣のAを指すと、みんなが深く頷いた。
Aは畏まったように背筋をのばし、揃えた膝の上に両手をきちんと置いた。
「うちの職場の、同僚で......」
ワンクッション置こうとすると、すかさず神山くんから「同僚?」とツッコミが入る。
それで意を決し、「彼女になりました」と俺が言い切った途端、わぁっという歓声と拍手が起こった。
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えみゅ(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます⭐️私もこのメンバーが好きで...またいつか書きたいなぁと思っちゃいました。虎といるときとはちょっと違ううみくん、かわいいですよね(^^) (4月30日 9時) (レス) id: bb58f65b86 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!HGLのとくに好きな仲間たちだったので嬉しかったです☺️うみくんの後輩力は素晴らしいですよね!可愛がられる素質があるというか!そんな可愛らしさもお話にぴったりでした✨ありがとうございました! (4月29日 10時) (レス) @page43 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えみゅ | 作成日時:2024年3月7日 22時