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「海人くん......」
呆然としてはいたものの、声を発することができたAのほうが、驚きのあまり固まってしまった俺よりましだった。
「ひとり？」
「うん。そっちは？」
「ひとり。隣、座ってもいい？」
「いいけど......」
カウンターに雑に置いていたスマホを引き寄せて、スペースを空ける。
Aは俺の隣に回り込んで座り、「ありがとう」と言った。
「久しぶりだね」
Aが近づいてくる様子を静かに見守っていた玉森くんが、カウンターの向こう側から言った。
「海人と一緒に来てくれて以来だね」
「はい」
「元気にしてた？」
玉森くんの優しい声に、Aはにっこり微笑む。
その横顔に、つい見惚れてしまう俺。
こいつのこんな笑顔、最近、ちゃんと見れてなかったな。
こんなに近くにいたのに、もったいないことしてたのかな......なんて。
「何にする？」
「えっと、赤ワイン、お願いします」
「前に飲んでたやつでいいかな」
「はい。覚えててくれてるんですか？」
「もちろん」
Aの前に、赤ワインのグラスが置かれた。
細い脚を持って口に運ぶ様を、気づかれないように横目で見る。
こんなところに現れるとは思っていなかったから、何の心の準備もできていなくて、動揺を隠すので精いっぱいだった。
何を話せばいいんだろう.......いや、何も話さないほうがいいのかも。
ついさっきまで玉森くんに打ち明けるつもりでいた想いは、完全に萎れてぺちゃんこになってしまっていた。
俺って、こんなしょーもない男だったっけ。
「Aちゃんは残業だったの？」
「いえ、そういうわけじゃないんですけど」
「それじゃ、海人が早すぎたのか」
「そりゃ、俺だって時間ぴったりに終わる日だってありますよ」
「同じ仕事してるAちゃんと"親友"を置いて、ひとりで出てきたってわけね？」
玉森くんが、カウンターの向こう側から俺を見る。
ニヤリと、何か悟ったような意味深な目で。
「......海人くん、私のこと避けてるもんね」
隣から聞こえてきた声に、ギクッとする。
そのまま、思わずAの顔を正面から見てしまった。
ひとりで乗ったタクシーに揺られながら、心の中で「さよなら」を言ったあの夜からずっと見ないようにしてきた、Aのその顔を......。
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えみゅ(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます⭐️私もこのメンバーが好きで...またいつか書きたいなぁと思っちゃいました。虎といるときとはちょっと違ううみくん、かわいいですよね(^^) (4月30日 9時) (
レス) id: bb58f65b86 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れ様でした！HGLのとくに好きな仲間たちだったので嬉しかったです☺️うみくんの後輩力は素晴らしいですよね！可愛がられる素質があるというか！そんな可愛らしさもお話にぴったりでした✨ありがとうございました！ (4月29日 10時) (レス) @page43 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えみゅ | 作成日時：2024年3月7日 22時
