27 ページ1
*
*
*
週末の【Waters】では、いつもの顔ぶれが全員集合していた。
深澤くんの出張だったり、樹くんのライブの準備だったり、神山くんのミーティングだったり。
ときにはこの店自体が臨時休業することもあったりで、なかなか揃うことがなかったから、みんなの顔をぐるりと見渡せるのも久しぶりだった。
大人の男４人(＋玉森くん)がぎゅうぎゅうにつめられたこの角のソファー席も、それだけでなんだか楽しく思える。
「海人、ありがとねー。ライブ来てくれて」
「こちらこそ。樹くん、まじでかっこよかったっす」
俺の素直な感想に「まあねー」なんて笑っているけど、あの日の樹くんは本当にかっこよかった。
不可抗力とはいえ、最後まで観られなかったのが、今でも残念でならない。
「また夏頃やる予定だから、そのときは神山くんも是非！」
「おー、勿論！ほんまごめんな、急に行けんくなってもうて」
「いやいや。仕事じゃしゃーないっす」
あの日、神山くんの急な予定変更のおかげで(せいで？)、俺はAとライブに行くことになった。
人の壁の向こうを覗き込もうと子供のように精いっぱい背伸びをしたり、初めて見る樹くんの姿に釘付けになったり。
たびたび話しかける俺に楽しそうに笑っていたAの顔も、よく覚えている。
そこで、Aの元カレに会っちゃったのは、完全な予想外だったんだけど.....。
「そのかわり、あのおねーさんと来てくれたんでしょ？海人」
「あ、はい」
「Aちゃん？だっけ。なんか言ってた？」
「や、それはもう。キャーキャー言ってましたよ」
「あー、そう」
隠すことなく嬉しそうにグラスを煽る樹くんに、神山くんもニコニコ。
その横顔に改めて「チケットありがとうございました」と声をかけると、神山くんは俺に振り返り、「そういえば」と言う。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えみゅ(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます⭐️私もこのメンバーが好きで...またいつか書きたいなぁと思っちゃいました。虎といるときとはちょっと違ううみくん、かわいいですよね(^^) (4月30日 9時) (
レス) id: bb58f65b86 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れ様でした！HGLのとくに好きな仲間たちだったので嬉しかったです☺️うみくんの後輩力は素晴らしいですよね！可愛がられる素質があるというか！そんな可愛らしさもお話にぴったりでした✨ありがとうございました！ (4月29日 10時) (レス) @page43 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えみゅ | 作成日時：2024年3月7日 22時
