LEVEL UP / g.m ページ23
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一世一代の告白に、Aはひとこと「ごめんなさい」。
「えっ......なんで？？」
「なんでって......。前も言ったと思うけど......」
「前は前でしょ。俺は今の気持ちを伝えてるんだよ？」
「それはわかるけど。でももう私たち、」
「終わってるんだよ？」と、呆れたように溜息をつく。
一年前に見たのとまったく同じその表情に、思わずデジャヴか何かかと思った。
「......確かに、一度は別れたけどさ。でも俺、まだAのこと諦めてないから」
「もう一年も前の話だよね」
「その一年間、俺が何してたか知りたくないの？」
自慢の彼女だったA。
一年前に別れて、でもどうしても納得できなくてすぐにまた告って、ふられて。
それから一年後の今まで、俺が何の努力もせずにいたと思う？
「神様お願い、Aを俺の元に戻してよ」って。夜空に向かって毎晩願うだけだったと思う？
だとしたら、それは大きな間違いです。
「俺めちゃくちゃ頑張ってたんだよ」
「......」
「仕事たくさんもらえるようになったし、英語も上達したと思う」
「......」
「勿論ダンスだって、どんなに忙しくても毎日練習してたし......」
Aにもう一度振り向いてもらえるように。
もっともっとカッコイイ男になって、Aを迎えに行けるように。
そんな思いでこの一年、やってきた。
もう2Dのままの俺じゃない。
確実にレベルアップして、Aの知らない俺になっているんだよ。
「全部Aのためだよ。Aにまた好きになってもらいたくて、俺......」
「......」
「Aともっかいつき合いたい。Aじゃなきゃダメなんだ」
大好きなんだよ。
Aしか見えないんだ。
一年前と変わらないものがただひとつあるとすれば、それは、俺のこの気持ち。
どんなに成長したとしても、それだけは何も変わっていない。
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作者名：えみゅ | 作成日時：2023年3月25日 22時
