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#57 ページ12




お前、うざいねん。


いつやったっけ。そんな感じのことを言われた。軽口とか照れ隠しとかやなくて、ほんまに、あたしを傷つける目的で。うざいねん、って言われた。

お調子者の立ち位置を、それは上手に使っていたそいつ。

もしそう言ったのが、おとなしーい真面目ちゃんやったら。意地悪が常のイヤーな男子やったら。この悪態にも、或いはクッションのようなものが投げられたのかもしれへん。少なくとも、ここまでに力のあるもんにはならんかったはず。

ただ、何事にもおちゃらけ、どないなことでも笑って済ますことができるそいつが、「うざいねん」。そう吐き捨てた。それが、何よりも事実やった。





歯に着せぬ言い方をして、よく怒られる子。それがあたし。


幼なじみに向かって、「にきびヤバいな」
友達に新しい服を見せられたとき、「えー、ちょいダサくない?」
告白してくる男子らには、「無理かなあ」「タイプやないの」

悪気はほんまにない。ほんまに。

ただ自分の感情を別のものに言い表すんが苦手。あと、場を和まそうとしての冗談もあんまうまくいかん。あたしの場合は、それが冗談に聞こえんらしい。


なら他の面でそれを補えるかって問われれば、即答で「あかん」。あたしに才はない。
まあ要するに、どこ行っても結局は疎遠される馴染めない系女子。それがあたし。


せやから高校にも希望なんてなかった。うちから近いってだけで稲荷崎にしたこと。半ばヤケクソで茶髪に染めたこと。後悔する理由も肯定する理由も見つけられそうになかった。

やっぱし無理やわあ。

入学式終わったときから既に希望ナシ。髪のせいで恐がられとんのは、めっちゃ感じるし。



でも、うん、なんてゆーか。
人生って捨てたもんやない。





「岡村さん、これ落としたよ」




あの子が居るなら、このクソみたいな人生にも意味がある。そう思えた。

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しお(プロフ) - 大福丸◎さん» 遅れた所の話ではないほど返信が遅れてしまい申し訳ありません泣泣 本当に嬉しいです…今更になってしまいましたがコメントありがとうございました! (2022年1月23日 23時) (レス) id: 12c83b804f (このIDを非表示/違反報告)
大福丸◎(プロフ) - すごいよかったです!気づいたら3時間以上はこの小説読んでました笑 もー、本が出版されてたら買いたいレベルです!!笑 久しぶりにこんなにハマりました (2019年8月8日 21時) (レス) id: 4787af4ccb (このIDを非表示/違反報告)
しお - アオさん» いえいえ、こちらの配慮不足でもあるので......汗 こんな文章ばかりですが、良ければこれからもお読み頂けると嬉しいです! (2018年8月1日 20時) (レス) id: 12b75cb48a (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 了解です。何でもかんでも質問してすみません。 (2018年8月1日 18時) (レス) id: 9d036889eb (このIDを非表示/違反報告)
しお - アオさん» 曖昧な部分でもあるので、難しい場合は読み流して頂けると嬉しいです (2018年7月30日 16時) (レス) id: 12b75cb48a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しお | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=harushiomb37  
作成日時:2018年5月6日 15時

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