【HQ!!】ツインズ・シンドローム【宮】

#33 ページ33

まなが、男子バレーボール部のマネージャーになった。

びっくりした。それなりに。
けど正直、だからといってどうってことはない。

なんか意図があってのことなんやろうけど、それが何なのか知る必要があるとは思えないし。
彼女がやりたいことをやることで、何かわたしの人生に問題が起こることもないはずやし。
というか、興味がないし。

わたしはそういう話題について、関心を持っていない。

誰が彼氏に振られようと、部員目当てでマネージャーを始めようと、わたしには関係ない。
心底どうでもよい話題。

せやから女子が噂をしていても、わたしは知らん顔でパックジュースを飲むことができていた。
呑気に「酸っぱい」と味の感想を言うことができていた。
3年のバレーボール部員がまなを好いている、なんて噂にも「日常茶飯事」で片付けることができていた。

そう、過去形である。


・


部費置いてきちゃってん、持ってきて！

午前 6：30。
まだ眠っているわたしを起こしたのは、まなの慌てた声やった。

「朝練があるから」そう言っていつもより早く寝たくせに、忘れ物をするなんて。
しかもわたしが朝に弱いのを知っときながら、普段よりずっと早い時間に登校させるなんて。

睡眠を邪魔されたことが気に食わず 断ろうとしたが、まなの一言のせいでそれは叶わなかった。


『監督に、迷惑かけちゃう......』


我ながら、大層な妹を持ったこと。

怒りを通り越して呆れた。
そう言われてしまうと、身支度する他ないではないか。

不機嫌を隠すため、わたしは仏頂面にマスクを掛けて家を出た。

・

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