宮ンズの幼馴染＃2 (ページ8)

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会えんようなったら ⑥ ページ8

Side 治

「A、こっち来い」

ツムに飲み物とタオルを任せて
熱のせいでボーっとしとるAを、ベッドから出す。

そのへんにあったトレーナー被せて、バレー部のジャージも着せて
膝の上のせて一緒に布団被れば、ちょっとはあったかくなるやろ。

「お前さぁ、」

「なん？」

「目ェ離したらすーぐこれや。俺も入れて」

「デカいねん邪魔や」

「身長ほぼ同じじゃ！」

ツムが横に並んで座るから
A横抱きにして、胸元にあるその頭をぎゅって抱きしめる。

そしたらその目からポロポロ涙がこぼれるから
俺らは笑いながら何度もその涙を拭って。

「離れへんよ」

「お前ん中にその選択肢いらへんやろ」

少し前にツムと喧嘩した。

進む道が違うんは、生まれてはじめてやった。

でも俺は、天と地がひっくり返ってもツムとはどうせ双子やから
死るときにツムより幸せでおったる、って漠然と死ぬときさえもツムがおると思っとった。

でも、

「ごめんな」

「何を謝ることがあるん」

「私な、双子大好きやからな、」

「おん。知っとる」

「2人が幸せやったらええ、って思っとったん。今もやけど」

俺らがその手をずっと、繋ぎ留めとると思っとった。

離れることに躊躇せんと
俺らのこと大事にしてくれとるん、知っとったから
迷わずその時は、俺らの手を離すんやろうなって

「…けど」

こつん、て寄り掛かる頭

「考えるたびに、思うことはおんなじやって」

真っ暗な布団の中で、震える息を感じて

「…さみ、しいねん」

「…おん」

「……離れた、なかってん」

ツムがその手に、指を絡めるんを見つめる。

「自分がこんなに我儘やったん、知らんかった」

「…」

「…怖がりなん、知らんかった」

ちゃうかったなぁ。

AはAで、必死に俺らん手を繋ぎ留めようとしとって
でも同時に、離す準備もしとって
でも離せん手に、戸惑っとったんや。

「きっと何回言うてもお前は信じられへんやろうし、このこと覚えてへんやろうけどあえて言うわ」

確かめるみたいに

「絶対離さん」