握るのは �� ページ30
「Aちゃんどこ行くん？」
しんどなって、あわよくばこのまま抜けよう思って
輪を抜けてトイレに向かってた。
「…お手洗い、ですけど」
「荷物持って？帰る気やろ〜」
「明日も朝早いんで」
「送っていくで。家どこなん？」
「大丈夫です。知り合いが迎えに来てくれるんで」
「ほんならそれまで話そうや」
ちゃんと断れへん私があかんのかな。
顔に出てると思うんやけど、言葉でいわな伝わらんのか。
「もう来てくれてるみたいなんで、みんなによろしく言うてください」
「え〜、じゃあさ」
「…」
「最後に連絡先交換しよ。また会いたい」
「…電池、切れて『あのさぁ』」
距離が近くなる
どんな顔してるんか、見られへん
「舐めすぎやろ。どうせ力で俺に勝たれへんのに」
「…」
「選びや。このまま残るか、連絡先交換して知り合いの子と帰るか」
「…」
「俺は別に力づくでしてもええで」
「…」
「…あ、てか期待してる？」
肩、触られて
耳元でしゃべられる声が、気持ち悪くて
でも身体は嘘みたいに動かんくて
「何も言わんってことはそういうことでいいん？」
「…」
「…固まってるやん。かわい『A』」
聞きなれた声に安心して、泣きそうになる
引っ張ってくれる腕に、温度が戻るのを感じる
知ってる匂いが、息を楽にさせてくれる
「お待たせ。帰ろか」
「は？誰お前」
「お前こそ誰？…あー、ええわ答えんで。どうせ覚えとらんし」
「なんやと？」
いつかみたいに、目の前にある治の背中
「勘違いご苦労さん。その辺の女ひっかけて遊んどけや」
「…」
「二度と気安く話しかけんな触んな。お前が近づいてええ女ちゃうねん」
行くで、って手を取られて
するりとお店から抜け出した。
どんな顔しとるんやろ、思って治の顔をみたら
「…拗ねてるときの侑と同じ顔や」
「一発殴っといたらよかった。なんなんアイツ。どこの誰？」
「知らん。流れで一緒に飲まなあかんようなった人」
「LINEみて焦ってんで俺」
「…うん、ありがと。嬉しかった」
「…」
頬を撫でて覗き込まれる
目が、合う
「…何もされてへんか」
「…うん。治きてくれたし」
「覚えとる？」
「？」
「…触ってええのは俺だけやで、っていつか言うたん」
「…ん」
「ほなええわ。帰ろ」
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宮兄弟推し - めっちゃきゅんきゅんした！宮兄弟推しにはたまらん作品だと思います！ (5月17日 19時) (
レス) @page36 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：san | 作成日時：2022年10月18日 10時
