宮ンズの幼馴染＃2 (ページ15)

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1つの ⑥ ページ15

治今から行くわ
Aどうやったん?
治大したことないけど痛み引くまでは無理せんように、って
治ツムおる?

安心、する
同時に胸がジクジク痛む

Aおるよ
治いじけとるだけやから気にしんときや

知っとるみたいや
やっぱり分かるんかな

「今日もあかんかったん？」

「…うん」

「日に日にAの元気無くなるやんか」

「…そらそうやろ」

「今だけやって。気にしんとき」

治にも言われたそれ。

でもやっぱり、いくら気にせんとこう思っても
侑に対しても、気にせんといてほしい思っても
何日も避けられるんは、しんどかった。

朝練終わりも
授業の休み時間も
昼休みも
部活終わりも

隙あらば、声かけようって
会いに行こうって思ったけど

「侑」

「…」

いつから目、合ってへんっけ
最後に声聞いたんいつや

すれ違う

振り返って目で追えば、クラスメイトに囲まれとって
その中で侑は、笑っとって

あれ

最後に笑った顔みたん、いつやろう。

追いかけて、手引っ張ってでも止めればええのに
今の私にはそんな勇気、微塵もなかった。

「先輩」

「…あ、久しぶりやね。どうしたん」

帰るんも最近は、治と二人やった。

やから治を待つために、あの日以降待つようになったこの狭い空間で
膝を抱えて、そこにおでこを乗せて目をつむって。

そしたら、久々に見た気する後輩くんがドアのところに立っとって。

「…元気、ないから」

「え？」

「渡り廊下とか、全校集会とか、移動のときとか」

「…」

「先輩んこと見かけるたびに、元気なかったから。…あの人らですか？」

私の目の前に、すとんとしゃがんで
じっと見られる目に、見透かされとる気がした。