宮ンズの幼馴染＃2 (ページ11)

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1つの ② ページ11

でもやっぱり、心配で
追いかけるように保健室に向かえば、ちょうど先生が出てくるところやった。

「アンタら常連になるつもりやろ」って言われて
多分何も返せん私がよっぽど、焦った顔しとったんか
「大丈夫やで。一緒におったって」って言うてくれた。

「…お、A。追っかけてきてくれたん？」

ドアの向こう、へらりと笑う治がおって少し安心する。

身体冷やさんように、角名くんから預かったジャージ渡したら
「ありがとぉ」ってそれを着て

「こっちおいでや」

そう、言う治の隣に座れば
私の顔を覗き込んで、呆れたように笑って頭を撫でて

「俺の痛いん、ぜんぶAが持って行ったみたいな顔しとる」

「…それやったらええのに」

「良くないわ」

「ほんまに平気なん？」

「おん。一応病院行きや、って言われたけど」

腹減ったん思い出したわ、ってつぶやく治

私は、分かったから
それを見たときに、分かってしまったから

「治」

「ん？」

「侑のこと庇ったやろ？」

そこにおったんは侑やった
でも、無理に身体を入れ込んだように見えた

「…誰があんな人でなし」

「…」

「…ってな、思うんやけど。身体が勝手に動いとったわ」

なんでやろな、って治は言う。

「…ツムんほうが、俺よりちょびっとだけバレーボール愛しとるし」

「…」

「きっとそれはこれからも変わらん。なんぼ競ってもそれだけは」

「…」

「…せやったら1秒でも長く、ツムがバレーしとったほうがええやんか」

しとってほしいやんか、って言い直して
自分の手を、じっと見つめる。

「怪我、したんが俺でよかった」

「…おさ『どういうことやねん』」

ガラリ、ドアが開いて
そこに立ってたんは、顔を歪めて治を睨む侑やった。