宮ンズの幼馴染＃2 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:50 hit、合計:101,426 hit

危機感 ② ページ2

Side 治

前々から分かっとってん。
人見知りのくせにお人よしのこいつに、危機感なんてないってこと。

「オイ」

練習試合

終わったところで、知らんおっさんがAに声かけとるんを見つけて
体育館から並んで出ていくとこ見てもうたら、追いかけるしかなかった。

「治や。もう解散したん？」

「…たぶん。誰？なんで校舎向かってるん」

「あ、なんや知り合いの先生おるから職員室まで案内してって」

ズカズカ近寄ってAの手引いて背中に隠す

じろり、目の前のおっさん見たら
「やっぱりええわ！ごめんな！」とかなんや言うてどっか行きよった。

「行ってもうた」

背中で呑気にそんなん言うから、思わず深いため息をつく。

「…あんなぁ、」

振り向けば、俺らによく見せる気の抜けた顔があって

「え」

「さっきのやつにこうされとったかもしらんの、分かった？」

体育館裏

人気の少ないそこで、Aを壁に押し付けて
その足ん間に俺の足入れたら、不安そうな顔をする。

「な、んで？案内しよう思っただけやのに」

「ほんまにそう思っとるん？ほんならなんで俺が声かけたらそそくさ逃げて行ったん？」

「治の顔が怖かったんちゃうの」

「んなわけあるかドアホ」

想像、したくないけど
もしさっきのおっさんがこいつに触れとったら、思ったら無性に腹が立って

壁に肘つけたらグッと近くなる距離

「お、さむ」

「…俺以外に触らせんなや」

「…っま、」

「ここも」

デコに

「ここも」

頬に

「ここも」

鼻に

首に

耳に

手の甲に

手首の内側に

最後、口んすぐ横に軽く口づけたら
目の前には顔真っ赤にして泣きそうなっとるAがおるから

「分かった？」

「わ、分かったから」

「変な人についてくな、って習ったやろ」

「習った、習いました」

「いーや分かってへん」

「も、ごめんて…」

かわええな、思う

「口にしてええ？」

「あかん」

「ケチくさ～いつもしとるやん」

「してへんわ！」