宮ンズの幼馴染＃2 (ページ23)

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いとこ ② ページ23

「いとこ」

「っす」

「聞いてへん！」

「俺は知ってたで」

「なんでやねん！」

「小さい頃聞いた」

「ほな俺かて聞いてるはずやん！」

「お前が犬怖い～いうてピーピー泣いとったからちゃう」

「ハァ？！んな記憶ないわ！」

周りからの視線が痛い。

「いとこの距離感てそんなんやった？！」

「身内みたいなもんやん」

「飛雄くんそんなキャラちゃうかったやん！異性と距離感バグの飛雄くんは解釈違いや！」

「うっさなんなんその声量」

「？Aちゃん俺と結婚するって言ってたから」

「「…ハァ？！」」

金と銀
ただでさえ目立つのに、その声量に私は目をつむる。

「とびくんそれは小さいときの…」

「じゃあしねぇの」

「いや先のことは分からんけど…いとこって結婚できるっけ」

「いやいやいやいやそこちゃうって！できるできひんの話ちゃうって！」

「俺はそのつもりだった」

「うーん、可愛い…」

「もうあかんて！飛雄くん集合やで！はよ行きや！」

唇を突き出す癖が、小さい頃から変わらんくて
私はそんなとびくんの顔を見ると可愛くて思わず笑みがこぼれてしまう。

「怪我せんようにね」

「ん。…連絡する」

「うん。待ってるわ」

双子に「失礼します」て頭下げて、背中を向けて人ごみに紛れて行ったとびくんを見つめて

「…映画、行かへんの」

双子に挟まれて
片手ずつ掴まれた腕

納得いかへんような顔してる。

「…俺らと結婚する言うてたやん」

「言うた、っけ…」

「言うた」

「どっちにしろ小さいときの話やんか。映画いかへんの？時間ないで」

「行くけど！」

「絶対負けへんし」

「試合楽しみやなぁ」

「…ハァ」

「人の顔みてため息つくんやめてくれへん？」