宮ンズの幼馴染＃2 (ページ21)

今日:72 hit、昨日:50 hit、合計:102,215 hit

昔話 ② ページ21

「前にアンタが階段でこけて帰ってこんかったときも、治くん死にそうな顔しとったし」

「…あったなぁ」

「双子、モテモテやけどアンタとバレー以外に見向きもせんもんなぁ」

それは言い過ぎやろ、て思いながらご飯を頬張る。

「Aは興味ないん？」

「ん？」

「付き合うとか、手つなぐとか、ドラマみたいなん」

「…んー」

「憧れるやん」

「…ぜんぶ、」

「？」

「…ぜんぶ、双子としたから分からへん」

「…ハァ～～」

「人の顔みてため息つかんといてよ」

聞いた私がアホらしいわ、って言いながらウィンナーを頬張る友だち。

「でも小さい頃やしノーカンちゃう？」

「は？アンタが言うてるんはキスとかそういう話やろ？」

「う」

「ちょっと目ェ離したら手つないだりハグしたり、イチャコラしとるやんか何言うてるん」

「いやだからそれは距離感の問題で」

「ハイハイ分かった分かった」

「んん…」

「友だち紹介するわ。男の子。私の腐れ縁」

そう、言いだしてケータイを操作するんをボーっと眺める。

「？なんで」

「双子以外も知っといたほうがええんちゃう。感覚がこれ以上バグらんように」

「そういうもんなん？」

「悪いやつではないし、そら双子に比べたら劣るもんはたくさんあるけど。まずは連絡からとってみいや」

「ほーん。優しかったらええ『良くないよなぁ？』」

空気がピシリと変わる

後ろから回った手が、軽く私の首をしめてる気がする。

「な？Aチャン。他の男知る必要ある？」

「…ないん？」

「ないやろ。A借りるな～」

そのままズリズリ引っ張られて、廊下に出る。

友だちは手合わせて「ごめーん」て口パクしとったけど
今度絶対ジュース買ってもらうし。

「どういうことか説明してやAチャン」

「他の人は知る必要ないし、一番カッコええのは侑と治です。ほなお弁当食べてきます」

「おうおう…って、ちゃうやん！えらい俺らの扱いうまなったな？！」

「丸め込む気満々やんか」

「心配せんでもその気にならんと紹介してもらわへんって」

「その気になるなや！」