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次の日も。
「たく兄ー！自炊の練習してみたの！特製チャーハン食べて！」
その次の日も。
「この映画レンタル始まってた！たく兄の部屋のテレビで見よ！」
また次の日も。
「たく兄、ゲーム貸して！」
図々しく毎日毎日押しかけている。
たく兄の予定があっても、その予定の前か後には必ず私が居座っている。昔みたいな日常が戻ってきてるな、と感じつつ、前よりも距離詰めすぎじゃない？とも思うけど、距離が近いのは兄妹だから、と自分で勝手に納得させた。
そして、なんとなく今まで見るのを避けていたたく兄の手を見てみると。
指輪が、なくなっている。
まあ、あれから一年以上経つわけだし、別れていても全然不思議じゃないんだけど。
たく兄、今、彼女いないんだったら、、
と悪魔のささやきが聞こえた。だめだめだめ。結局傷つくんだぞ、自分。
悪魔の思考を忘れようとするように、ゲームを借りてたく兄の部屋で遊んでいたけど、目が疲れてだんだん眠くなってきた。だんだん瞼が閉じてくる。
「おい、A。寝るなら自分ち帰れー。」
と、たく兄の声が聞こえた気がしたけど、もう意識は夢の中だった。
目が覚めると目の前には電源が切れたゲーム機、背景はたく兄の部屋。
やっっっば！熟睡しちゃってた！
もう外は暗い、、というかだいぶ夜も深まっている。何時だ、、と思って体を起こすと、
「あ、ようやく起きた。もう11時前だぞ。今から晩飯食うと確実に太るぞー。」
とたく兄の声が。
はっきり目を開けると、風呂あがりなのか湿った髪の毛に部屋着姿のたく兄がスマホを触っていた。色っぽくてどきりとする。そして、ぱさり、と自分の体からたく兄のいつも来ている上着が落ちてきた。
「あれ、これ、、」
「あー、風邪ひいたら困るから一応。さすがに布団まではいらねーかなって。」
どきん。
あぁ、だめだこれは。封印しているはずの恋心が、爆音で心音を鳴らしてしまっている。おさまって、おさまってくれ。
好きがあふれてしまうから。
たく兄のこと、お兄ちゃんだと割り切ろうとしてるんだから。
「あ、ありがと！夜遅いし帰る！おじゃましました！！」
今は、心臓がうるさい間は、一緒にいちゃだめだ。
「おー、また明日ー。」
そうやって、さりげなく明日も会ってくれるようなこと言うとこも、今の私には毒。
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雪葉(プロフ) - junさん» jun 様 ありがとうございます！！励みになります涙 これからもよろしくお願いします！ (2020年10月1日 18時) (
レス) id: 9fa34ce2eb (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 前回に続き雪葉さんの書く文章は最高です！お気に入り作者さんに入れさせて頂きました！ (2020年10月1日 1時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪葉 | 作成日時：2020年9月30日 23時
