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たく兄と話さなくなってからは結構あっという間に時間が過ぎて行って。
高校二年が終わって受験生になって勉強一色の生活に変わっていくと、私は学校と塾にこもって夜に家に帰るようになっていった。
だんだん休みのたびに帰ってきてたたく兄とも会わなくなっちゃって、どんどん疎遠になっていった。
私は本命も滑り止めも地元の大学を受けるから、別にたく兄とずっといられるようになるわけじゃないし、この機会にきれいさっぱり諦めよう。
たく兄は、私の幼馴染のお兄ちゃん。優しくて面倒見のいい隣の家の人。
そう心に言い聞かせると、避けるのもなんだか馬鹿らしくなって、それなら今まで通り話せる気がしてきた。
そして、晴れて大学合格。高校の卒業式を終えて、いろんな友達と思い出作りに遊びに行って。
そして、春休みでたく兄が茨城に帰ってきた。
たく兄は、今まで私が避けてたことなんて気にしないで私がいつも通りに戻ってもいつも通りにしてくれる気がする。だってたく兄は優しいお兄ちゃんで、これは長い兄妹喧嘩だったんだから。
これからは、いつも通り兄妹でいよう。
そう決めて、昔みたいに勝手にたく兄の部屋に入って、たく兄を待った。
「あれっA？！」
「あったく兄お帰り！久しぶりに部屋入ったけど、何も変わってないね！」
びっくりするほどいつも通りの言葉が漏れる。やっぱ、染みついてるんだなぁ。
「え、あぁ、そりゃ休みのたびにちょこっとしか帰ってこねーんだから変わんねーだろ。」
地元の友達に会っていたのかラフな格好で、財布を机に置きながら返してくれる。
ほら、言った通りたく兄は私が自分勝手に避けてたことも怒らないで、いつも通り接してくれるんだよ。
「ふふっ、やっぱここが一番落ち着きますねぇ。」
なんてごろごろする。なんなら第二の実家みたいなもんだし、昔は自分の家じゃなくてこっちに帰ってきて寝て、、なんてしたこともあるから、安心感は半端ない。
これからは、こうやって妹として、ずっとたく兄の近くにいるんだから。
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雪葉(プロフ) - junさん» jun 様 ありがとうございます！！励みになります涙 これからもよろしくお願いします！ (2020年10月1日 18時) (
レス) id: 9fa34ce2eb (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 前回に続き雪葉さんの書く文章は最高です！お気に入り作者さんに入れさせて頂きました！ (2020年10月1日 1時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪葉 | 作成日時：2020年9月30日 23時
