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その夜はきのこだらけの晩飯を食って、最近立ち上げたwebメディアの仕事を進めようと自室に戻る。
自分がパソコンに打ち込む音だけが響く部屋に、虫の声が外から聞こえてきた。もう秋だな、と一瞬思ったけど、それも気にならなくなるほど作業に没頭していった。
ぴこん、
スマホの通知がなって集中の糸がぷつんと切れる。もう11時か、だいぶやってたな、と思いつつスマホを確認すると、
[たく兄、いまこっちにいるの？お母さんから連絡きた。]
と、Aからメッセージが。あれ、こいつ友達と飯行ってんじゃねーの、と思いつつ、
[そうだけど、どしたの。]
と送る。すると、
[たすけて、男の人と二人でちょっと怖い。]
と追加のメッセージと位置情報が来た。
、、、、は？？？
なんで男といんの？てか二人きりて何？たすけてって何事？
情報の少なさと事の怪しさに冷や汗が出る。俺は反射的にスマホだけ引っ掴んで家を飛び出した。
位置情報は、飲み屋街から300mくらいのところにある公園。俺の家からは3km。いつも母親が買い物に使っているチャリを引っ掴んで、公園まで激走した。虫の声なんて、耳に入ってこなかった。
今までにない速さで公園に着いて敷地に入ると、明るい街頭の下でベンチに二人の人影が見えた。
「A！！」
小さい公園で助かった。チャリのスタンドも立てずに放って、ベンチに駆け寄る。
俺の声か、はたまたチャリの倒れた音か、どちらかの音にびっくりしたように肩を上げて、二つの影がこちらを見てきた。
Aと、知らない男。
Aはベンチに押し倒され、今にもキスされそうな体勢。
頭に血が昇る。ふざけんな。
考えるよりも先に男を押し退けて、Aの腕を引いて抱き止める。体は微かに震えていた。
「おいなんだてめえ、今からいいところなのによぉ。」
「A、帰るぞ。」
男の言葉は無視して、Aの手を引く。Aは、驚いて状況を飲み込めてないようだった。
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雪葉(プロフ) - junさん» jun 様 ありがとうございます！！励みになります涙 これからもよろしくお願いします！ (2020年10月1日 18時) (
レス) id: 9fa34ce2eb (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 前回に続き雪葉さんの書く文章は最高です！お気に入り作者さんに入れさせて頂きました！ (2020年10月1日 1時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪葉 | 作成日時：2020年9月30日 23時
