温かい味。

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side主人公




流「めちゃくちゃ美味いっす。」



そう言いながら頬張る姿に嬉しくなる。
料理人はお金よりも
この姿が何よりの褒美だと思う。



自分の料理を
ここまで美味しそうに食べてもらえると
見ていて気持ちがいい。




『おかわりは無料ですので
いつでも申し上げてください。』



流「はい、ありがとうございます。」





…にしてもすごく綺麗な顔だなぁ。


でもかっこいいけど食べてる姿は
なんか可愛いかも。なんて。



シベリアンハスキーみたいな感じ。




流「…あの、なんかついてます？」




『へっ！？あ、すみません！！
あの、気に触ったらすみません、

そこまで頬張って食べる姿が
少し可愛いなって思って。』




流「ええ、そうですか？(笑)

でも本当に美味いんで！」




『いい食べっぷりなので
料理人としてとても嬉しいです！』




流「…あの、このおすすめメニューって
グミとか作れます？」




『作れますよ！


お時間がかかると思うので
事前に店のメールアドレスに入れてもらえると
すぐお出しすることもできます。』




流「あ、じゃあ名刺貰っていきます。」







この後も会話したり
おかわり頼まれてよそったりと
ゆっくりした時間が過ぎた。




『ちょうどいただきます。』



流「あの、…あ、えっと名前。」


『？私のですか？

八代Aです。』



流「Aちゃんな。


Aちゃん俺より年下だと思うけど
店長さんってすごいなって思って。」




『確かに22で店長ってあまり無いかもですけど
すごくはないですよ、
まだ勉強できるところは沢山ありますし。』




流「22…望と同じなんや。


今度また来るな、今度はメンバーと。」





メンバー…？
なにかバンドとかやってる人なのかな、

そうだとしたら
最近そういうお客さんが多いなぁ。




なにかそっちの業界の
口コミとかされてるのかな。



でもお客さんが増えるのはいいことだし
そうだとしたらありがたい！





『はい！またお待ちしております！』





そうして帰っていった。







が





流「…ごめん、携帯忘れてったわ。」




とすぐ戻ってきて
笑い合った。

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