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中「ん!美味しい!



これ手作りなんですか?」








『サングリアもローストビーフも手作りですよ。』






中「え!サングリアもなんですね!
フルーティーで飲みやすいです。


ローストビーフもしっとりしてて
めっちゃ美味いです、
これなら永遠に食べれそうやわ。」







『そんなに褒められると
どう反応すればいいか困ります(笑)』





恥ずかしくなって
居た堪れない気持ちになる。



キッチンに逃げたい。





中「ごめん、ごめん(笑)


店長さん?若いのに
すごいなって思いますよ。



…話し相手になってくれますか?
店長さんの生い立ちとか興味あるかも。」






『お酒まずくなっちゃうかもですけど…』






中「大丈夫です、聞かせてください。」






『ここ元々両親の店なんです。

私が幼い頃事故で亡くして
親戚の押し付け合いあって、

結局孤児院に預けられて高校卒業までは
孤児院で育ちました。



昔からここで働きたくて
この仕事を継ぎたいと幼いながらに思ってたので

店は売らずに両親の貯金とか慰謝料で
ずっとそのままにしていました。


ここは形見のようなものだから。



それから早く料理人になりたくて
調理師免許の取れる高校に入って

昼は料理の勉強
夜はレストランの厨房でアルバイトの
料理漬けの毎日を送りました。



高校卒業後は両親の知り合いを転々として
働きながら料理の勉強を。


二年間でたくさんの免許をとって
やっと店を出せたんです。』








中「そうか…


なんか言い難いこと言わせてごめんな。


若いのに苦労してるんやな。」







『今年22になるんですけど

もう社会人なのでこれくらい
どうってことないです。


それに天職ですし。』




中間さんは
そうかと悲しそうに微笑んでいた。









『こちら63円のお釣りです。』


と手渡した時そのまま握られて
ドキッとした。




中「店長さん名前聞いてもええ?」





『八代Aです。』





中「そか。



Aちゃん。
また来るな。」





『はい!

お待ちしております!』






ニコリと綺麗に笑って
またなと帰って行った。



すぐ側の椅子に崩れ落ちるように座る。





初めて、


初めて全てを誰かに話したと思う。




なんで中間さんに言えたんだろう。



わからないけど

今はさらけ出した疲労感を
ひしひしと感じることしか出来なかった。

スープカレー→←ローストビーフ



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緋於憂(プロフ) - 大好きな作品です、、頑張ってください (2018年4月29日 20時) (レス) id: 0996ba82f4 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - みなみさん» ありがとうございます!今仕事が忙しいのですが、なるべく早く更新できるように頑張ります! (2018年4月12日 14時) (レス) id: 480fbb4e52 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - のんさん» 遅くなってすみません!いつも応援ありがとうございます! (2018年4月12日 14時) (レス) id: 480fbb4e52 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続き、楽しみにしています。 (2018年4月10日 22時) (レス) id: 5859841ccd (このIDを非表示/違反報告)
のん - 毎回楽しく読ませていただいてます!!たぬきさんの世界観、ほんまに大好きです(><)これからも更新頑張ってください! (2018年4月3日 23時) (レス) id: 08bf6596b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たぬき | 作成日時:2018年3月25日 20時

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