【実.況.者】たんぺん。【短.編】

4.y.u/g.e (プロポーズ) ページ4

｢おーい。A〜おるか？｣

｢おりますよ〜。｣

体の大きい湯毛が私のいるリビングへ入ってくる。


｢久々やなあ、Aと会うの。｣

｢そうやなあ。湯毛は大阪と東京行ったり来たりしとるからなかなか会えへんもん。｣

私は大阪、湯毛は東京で時たま大阪に帰ってくる。

帰ってきてもなかなか会えないのが今の現状...。

｢せやな...。ごめんな。｣
しゅん、とした表情で私の頭を撫でる。


｢ほんまに寂しい。けど、湯毛頑張っとるから応援せな。｣

｢そのことなんやけど...｣

急に、先ほどのしゅん、とした表情から変わり真面目な表情に変わる。


｢俺と東京で暮らしませんか。｣


その言葉と共に指輪が差し出される。




呆気に取られ、時間が止まったようにも思えた。







｢勿論。｣





もう寂しい思いをせずに済む、湯毛と一緒にいられる時間が増える。それだけでとても嬉しい。


｢A、東京に行ったらこっちよりも不便なとこが少しはあるかもしれへんけど...｣

｢何や、今更そんなこと言って。湯毛と一緒やから大丈夫や。｣

にこ、と笑うとつられて湯毛も笑う。




こんなに幸せな時間が毎日あるのか。

これからがとても楽しみだな、と思う。

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