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あまりに騒ぎすぎたため居づらくなったファミレスを出て潤の実家で話の続きを聞いてやる。
「だからさ、カナさんはフリーだと思ってたんだって。急に旦那さんにバレたって聞いて俺だってビビったからな？」
「へえーそうですか」
「既婚者だって分かってたら付き合わなかったっつーの」
「ふうん、はいはい」
「……お前信じてねえな？」
彼はじとりと睨みながらそっぽを向く私の頬をつねる。
「いひゃい」
「こっち見ろよ」
やばい。
やや苛立たしげに言われて負けじと私も睨み返したけど潤の目力に圧されて早々に負けそう。
「潤！あんたいい歳してまたAちゃんに迷惑かけて！」
「いてっ」
潤の頭を引っ叩いて睨み合いを止めてくれたのは潤のお母さん。
「毎度毎度ごめんねうちのバカ息子が」
「ああいえ。いつもの事なんで」
「おい」
潤のお母さんはふんわりした可愛らしい見た目で、潤とは正反対の曲がったことが大嫌いな人。だから当然、潤の女の子との付き合い方にはあまり納得してないみたい。
女の子には優しくって言い聞かせたのがマズかったのかしらなんてうちの母親に愚痴っていたのを聞いたことがある。
「結婚しろとは言わないから女の子取っ替え引っ替えするのだけは止めて頂戴な。母さん、息子が刺されるの嫌よ？」
「いや何で刺される前提なんだよ」
「だって、ねえ？」
同意を求めるおばさんに続いて私も頷く。
その内痛い目に逢いそうだとは常々思ってるから同意しかない。
「俺は女には優しくしてるから心配ないって。そもそも俺が色んな子と付き合ってるのは仕事に活かすためで」
「そう聞くと潤の書く小説読みたくなくなるから止めて」
「はあ？」
意味わかんね、と呟く潤を横目で見て私の口から溜め息が漏れた。
潤は大学生の時に書いた小説が賞を取って以来小説家として生計を立てている。
彼の書く恋愛小説はドラマ化とかもされているぐらいちゃんと売れてるんだから凄い。面と向かって褒めたくはないけど。
タイプの違う女の人と付き合うのは人間観察の一環だって潤は言うけど、付き合う側になってみればそんな芸の肥やしみたいに消費されるのは嫌。
私が潤と付き合いたくないのはそういう理由もある。
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snow - 初めてコメントさせていただきます。いつも、というか毎日(笑)、更新楽しみにしております。紫苑さんの作品はどれも好きです！またリクエスト思いついたらコメントしようと思っています(笑)これからも応援してます！！ (2021年3月2日 17時) (
レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - おはよぉございます。朝からドキドキしちゃいました(笑)蛇に睨まれた蛙状態ってこの事を言うんですよね。長期戦…潤くんの出方が楽しみです。 (2021年3月2日 8時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - りえさん» りえさんコメントありがとうございます！リクエストもありがとうございました！テンポの良い会話は意識しているところでもあるので感じ取っていただけて嬉しいです！今後もよろしくお願いします。 (2021年2月20日 22時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - こんばんは。素敵な物語をありがとうございました。ハラグロ〜をリクエストしたりえです。テンポが感じられる会話と、ちゃんとヒロインを見てくれている彼を感じられました。今後も更新を楽しみにしております。 (2021年2月7日 22時) (レス) id: 21caf3f58b (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - kazuさん» 読んで下さってありがとうございます！DM頂いてない方のフォローリクエストは消去してしまってることがあるのでフォローできてないかもしれません！もしフォロー出来ていなかったら青い鳥でのお名前を教えて頂ければ許可しますのでコメントをくださればと思います。 (2021年2月6日 23時) (レス) id: 00c99a5500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2021年1月4日 12時
