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運転しながら松本さんは最近の仕事の話などをしてくれて、時折挟まれる兄の話題に智くんと笑う。
「あん時のしょーくんの顔は傑作だった」
「大野さん死ぬほど笑ってたよね」
くすくすと笑い声を漏らしながら窓の外を見て、見覚えのある街並みになっている事に気がつく。
「智くん、ここって」
「お、松潤ここでいいや」
「え？いいの？」
「うん」
私が声をかけた事で智くんも松本さんに車を停めるように言う。
「あんがとね。助かった」
「ありがとうございました」
「いいえ。大野さんの大事な子に会えて面白かったから」
「ん？」
「松潤！」
「おお、こわ。じゃあね」
智くんの声で良く聞こえなかったけど、松本さん何か言ってた？
「くっそ」
「智くん？」
珍しい悪態に驚いて振り返って見た彼の顔はむすっとしていて。
わあ機嫌が悪い、と他人事のように考えてしまう。
「聞いてた？今の」
「ううん」
「ならいい」
あの智くんをここまで焦らせてしまうとは松本さんは何を言ったのか。
とても気になるけれど下手につついて蛇が出るといけないので黙っていよう。
智くんの後ろについて歩くこと数分。
懐かしいお店の前で彼が立ち止まった。
「まだ早いから寄り道してこ」
「ここ、」
「うん。相葉ちゃんち」
フラワーショップアイバと書かれた看板は昔と変わらないように見える。
相葉ちゃん、私が雅紀くんと呼んでいた彼は智くんと同じように兄の友達。
昔々に私が智くんに失恋した時慰めてくれた優しいお兄ちゃんだ。
「こんばんは〜」
「いらっしゃいませ…って大ちゃんじゃん」
「おー」
ふわふわと言葉を交わす智くんの後ろからそおっと顔を覗かせる。
「あれ！？大ちゃんが女の子連れてきた！！」
「いえ、あの」
「ふふ。相葉ちゃん見覚えねぇ？」
「え？」
名乗ろうかとも思ったけれど智くんが私の方を見てしいっと口に指を当てるから黙っている事にする。
ううーんと唸りながら私の顔を見つめる雅紀くん。
「ヒント、しょーくんに似てねぇ？」
智くんそれはヒントではなくほぼ答えだから。
「あ！！」
突然大きな声を上げた雅紀くんがぐいと私の顔を覗き込んでくる。
え、え？何？
「もしかして…Aちゃん？？」
「せいかーい」
「全然わかんなかった！確かに目とか翔ちゃんに似てるね。近くで見ると余計そっくり！」
ああ、なるほど。
良く見ようと近付いてきただけね。
不意に距離を詰められて強張っていた身体が緩んだ。
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とも(プロフ) - おはようぉございます。正に嬉しくて号泣です。お互いの気持ちが繋がった。素敵なお話をありがとうございました。 (2020年12月12日 7時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 柚さん» コメントありがとうございます！今回の更新でその気になった箇所をきちんと回収できていると思うので…楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年12月7日 23時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています^ ^なんで息を呑んだのか気になりますねぇ(^-^)♪ (2020年11月24日 8時) (レス) id: c036a1a7fd (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 橘花さん» 前のシリーズから！長く読んでくださってありがとうございます(*^^*)自信満々の翔さん格好良いですよね…あと二人も頑張ります！！ (2018年6月26日 11時) (レス) id: 00c99a5500 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - まいさん» 強気×強気、良いですよね。まだまだ書き足りない事もあるので続編も考えてはいます(^-^)残りの二人も頑張りますね！ (2018年6月26日 10時) (レス) id: 00c99a5500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2017年3月15日 20時
