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「けど、どうしても貴方に頼みたいんです。定時後にはなってしまうんですが、お礼もさせていただきます」
「どうしても俺じゃなきゃダメなんですか？」
「そうなんです」
ダメでしょうか、と彼の顔を伺うと何だか楽しそうな表情をしてる。
「…わかりました。協力させていただきます」
「本当ですか！？ありがとうございます」
よくやった私！ありがとう二宮くん！
これで企画が先に進むと心の中で叫んでいた私と、二宮くんが目を合わせて微笑む。
「先ほどお礼っておっしゃってましたが、具体的には？」
「そうですね…お菓子とかそういう類になってしまうんですが」
「じゃあお礼代わりに水月さんがご飯付き合ってくれます？」
「はい？」
良く分からない話の流れに今度は私が疑問符を浮かべる羽目になった。
その後二宮くんの要望通り一緒にご飯に行って奢り、奢ってもらったお礼にと誘われてまた彼と食事に行く。
食事を繰り返すうちに自然と距離が近くなっていって、あれ私この人のこと好きかもと自覚した時にはすっかり彼に参ってしまっていた。
相手は年下で人気者だしと一度は避けてみたもののすぐに捕まってしまって。
『最初からその気だったんで。俺の彼女になってくれません？』
そんな言葉で強気に迫られたら陥落するしかなく。
まんまと乗せられた気がすると気づいてももう遅い。
それが今から5年前のこと。
「そんで？どうしたの？」
「ダメもとで松本さんに頭下げたわよ！もちろん断られたけどね！」
「あっはは！」
今日あったことを夕食の時に話すのが私たちの日課。
大野さんの我が儘から始まった騒動を話すと和は腹を抱えて笑った。
箸を片手に大笑いするその様子を見て内心ホッとしてる。
うん、大丈夫。
いつも通りの和だ。
「そういや松本さんといえば俺と同じ部署の子と付き合ってんだけど、」
「ぐっ…！」
「え？何？」
「な、なんでもない…続けて？」
何の心構えもしていなかったところに、噂の ”彼女” について急に話し始められてしまって噎せてしまう。
喉にご飯を詰まらせた私の事は気にせず先をどうぞ。
「俺からするとどう見ても松本さんがベタ惚れなのに、いつ別れるのかって不安らしいんだよね」
「……へえ」
「しかも俺にまで牽制してくるし。手出すわけねぇじゃん俺だってAさんと付き合ってんのに」
話を聞けば聞くほど単に彼女の相談にのっていただけらしく、むしろ浮気相手扱いされて和は不満そう。
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とも(プロフ) - おはようぉございます。正に嬉しくて号泣です。お互いの気持ちが繋がった。素敵なお話をありがとうございました。 (2020年12月12日 7時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 柚さん» コメントありがとうございます！今回の更新でその気になった箇所をきちんと回収できていると思うので…楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年12月7日 23時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています^ ^なんで息を呑んだのか気になりますねぇ(^-^)♪ (2020年11月24日 8時) (レス) id: c036a1a7fd (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 橘花さん» 前のシリーズから！長く読んでくださってありがとうございます(*^^*)自信満々の翔さん格好良いですよね…あと二人も頑張ります！！ (2018年6月26日 11時) (レス) id: 00c99a5500 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - まいさん» 強気×強気、良いですよね。まだまだ書き足りない事もあるので続編も考えてはいます(^-^)残りの二人も頑張りますね！ (2018年6月26日 10時) (レス) id: 00c99a5500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2017年3月15日 20時
