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「中学まではAの方が背がでかかったのに、いつの間にか俺が追い越しちゃってるし。手だってホラ、」
潤がその長くて綺麗な指で私の手を確かめるようになぞって、指を絡める。
「Aの手の方がちっちゃい。髪もめちゃくちゃ短くなってるし」
「あ、これ？部活で邪魔だから切ったの」
「うん。そんなこと俺は知らないし。聞いたの初めてだし」
ぽたぽたと滴り落ちてくる雫は、潤の汗ではなくて涙。
泣き虫なところは変わらないな、なんてぼんやりと思った。
「俺は知りたいよ、Aのこと。どんな髪型してるか、何をしてるのか。それから…何を想ってるのか」
聞かせてよ、と小さな声で耳元で囁かれて。
パチン、と私の中で何かが弾けた。
「そんなのこっちだって聞きたいわ！何なのさ、その金髪！？潤ってば不良になっちゃったの！？」
一思いに考えていた疑問を捲し立てると潤はぱちぱちと瞬きして。
それから大声で笑い出した。
「…何？」
「いや、何でもねぇ。Aに変わってないところがあって安心した」
「……潤」
「なに？」
「誕生日おめでとう」
突然の私の言葉に、ちょっと驚いた顔をしてから満面の笑みを見せてくれる。
「そっか、だから今日はわざわざ俺の家に来てくれたのか」
「そうだよ！何、忘れてたの？」
「ううん。いや、ちょっと忘れてた」
「何それ、どっちよ」
「A、ありがとね」
私達は結局こうやって笑ってればいいんだと思う。
知らない事が出来たって、お互い話をすればいい。
来年も、多分その先も。
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紫苑(プロフ) - りえさん» リクエストありがとうございます。『ハラグロなふたり』の続きですね。鋭意創作中ですので今しばらくお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (
レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます。赤菊の君の人気ぶりにびっくりしてました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ゆっこさん» リクエストありがとうございます。潤くん視点のお話書かせていただきました！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - mihoさん» リクエストありがとうございます。Lapis lazuliの続きですね！承知しました。ただいま創作中ですのでしばしお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - るきさん» リクエストありがとうございます。『赤菊』の翔さんサイドを書かせていただきました！大野さんのお話はもうしばらくお待ちくださいね。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2017年1月23日 20時
