Gold【J】1. ページ14
ふわっと風が吹き抜けて、髪が乱れる。
「あ、」
「ん？何？」
思わず溢れた声に彼がこっちを見る。
「いや……綺麗な金色だな、と思って」
「何それ。いい加減慣れてよ」
ふふっと柔らかく笑う姿は見慣れた幼馴染なのに、黒に見え隠れする金色だけが未だに見慣れない。
中学卒業後に進んだ高校が別になってしまってから、彼について知らないことが増えて。
夏休みに久しぶりに顔を合わせてみたらなんだか遠い人みたい。
「なんか潤…大人っぽくなったね」
「ええ？そお？」
「そうだよ……ちょっと寂しいかも」
笑いながら誤魔化して本音を告げてみたけれど、潤が困った顔をしたもんだから。
「ごめん、やっぱ今の無し」
慌てて自分の言葉を打ち消した。
これからきっとこんな想いが増えていくんだろう。
小さい頃は男も女も関係なくて、みんな一緒に育っていたけれど。
歳を経るにつれてそうもいかなくなる。
みんな大人になって、変わっていく。
いつか潤もきっと、私が好きだった潤じゃなくなるのかもしれない。
「ダメ」
「え？」
私の知らない人と一緒にいる潤を想像して泣きそうになった時、潤が否定の言葉と共に私の手を強く握ってきた。
「ダメだよA」
「ええと、何が？」
「さっきの話。ナシにしないで、寂しいなって思っててよ」
「どうして？」
「だってさ、俺だって寂しいんだもん」
思いがけない潤の言葉に息を呑む。
ポトリ、と重なった手の上に雫が落ちた。
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紫苑(プロフ) - りえさん» リクエストありがとうございます。『ハラグロなふたり』の続きですね。鋭意創作中ですので今しばらくお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (
レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます。赤菊の君の人気ぶりにびっくりしてました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ゆっこさん» リクエストありがとうございます。潤くん視点のお話書かせていただきました！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - mihoさん» リクエストありがとうございます。Lapis lazuliの続きですね！承知しました。ただいま創作中ですのでしばしお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - るきさん» リクエストありがとうございます。『赤菊』の翔さんサイドを書かせていただきました！大野さんのお話はもうしばらくお待ちくださいね。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2017年1月23日 20時
