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「どうして私が別れたいと言うかもだなんて思ったんですか？」
今度は私が質問する番だ。
さっきの怖い顔になった事とも関係してるんだろうか。
「この前、Aが友達といるところ見たんだよ」
「え…声かけてくれれば良かったのに」
「それができなかったんだよなあ」
ふ、と寂しげな笑みを翔さんが見せる。
「俺といる時より自然な姿に見えて焦ったの。すげぇ楽しそうに笑ってたし」
「それは！」
「あの子達からしたら俺なんておじさんよ？なんつーか改めて年の差を感じたというか、一緒にいた男どもにそこ変われよって言えるもんなら言いたかったわ。しかも？なんか最近可愛い格好し始めるしさ」
「それは翔さんの為で、」
「うん、さっきの聞いて分かった。ありがと。頭では分かってるんだけど感情が追いつかないっていうかさ…」
翔さんの言った内容を反芻するよう何度か脳内でなぞって、その意味することに気がついてしまう。
それは、きっと。
「それは…嫉妬というやつですか？」
「そうだよ！悪いか！」
「いや！悪くは無いんですけど、意外で。だって翔さん、私が学校の話してもいっつも余裕そうに笑ってたし」
「そりゃ10も年上ですし？男は可愛い彼女の前では格好つけたい生き物なんですよ」
うわあ認めたくなかったと翔さんが大声をあげるけど全然怖く無い。
むしろ、これは。
「翔さん、かわいい」
「はあ！？いやいやどこが！？三十路のおっさんだぞ？」
「そういうところ」
「わっかんねぇ」
翔さんはそう言って呆れた声で笑うけど、さっきまでとは違ってどこか嬉しそう。
「そういや、さっきのごめん」
「何がです？」
「似合わない格好って言ったこと。嘘だよ、似合ってて腹立たしかったからああ言っただけ。普通に似合ってて可愛いから、そのままで」
きちんと謝りながら如才なく褒めてくる彼の顔を見ると、にこにこ綺麗な笑みを浮かべてる。
計算なのか、天然なのか。
この人の事だからどっちもだろうな。
「そんなかわいい所、他の女性に見せちゃダメですよ？」
「当たり前。俺がこんなポンコツになれるのはAの前だけだから」
「私は翔さんの隣を譲る気は無いんで、翔さんも簡単に私を手放そうとしないでくださいね」
「仰せのままに」
ふざけながらも真剣な目をした翔さんは私の手に口づけを落とした。
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紫苑(プロフ) - りえさん» リクエストありがとうございます。『ハラグロなふたり』の続きですね。鋭意創作中ですので今しばらくお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (
レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます。赤菊の君の人気ぶりにびっくりしてました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ゆっこさん» リクエストありがとうございます。潤くん視点のお話書かせていただきました！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - mihoさん» リクエストありがとうございます。Lapis lazuliの続きですね！承知しました。ただいま創作中ですのでしばしお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - るきさん» リクエストありがとうございます。『赤菊』の翔さんサイドを書かせていただきました！大野さんのお話はもうしばらくお待ちくださいね。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2017年1月23日 20時
