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潤くんはそれきり黙ってしまって、さっきの言葉も私の頭が作り出した幻想なのかもと思い始めた頃。
滑らかな走りを続けていつの間にか高速を降りていた車が停車した。
「降りようか、」
「ここ…」
ドアを開けた瞬間に聞こえてきたのは穏やかな波の音で。
暗闇の中でも打ち寄せる波が白く泡立っているのがぼんやりと分かる。
「やっぱここはこの季節が一番綺麗だな」
やっぱり、ってことは前にもこの海に来たことがあるの？それは誰と？
聞いてみたい衝動をぐっと飲み込んで心の内を見ないフリをする。
言いたいことを言わずに、違和感に気づかないフリをするのは昔から得意。
……けれど次第に苦しくなって我慢しきれずに、全てを投げ出したくなることもままあることで。
今の心境はそれに少し似始めている。
まだ潤くんは呆れているのか私と目を合わせようとしなくて。
「潤くん、」
その背中に呼びかけてもこっちを見てくれる気配は無い。
まるで彼に拒否されているように感じられて、辛さと苦しさで心がざわざわして。
ぽたぽたと目から落ちた雫で砂浜が濡れた。
「…？A…って！」
ザクザクと慌てて砂を踏みしめる音がして人の気配が近づいてくる。
涙を隠そうと咄嗟に顔の前に掲げた腕を強引にどかされて、視界が潤くんで一杯になった。
「見な、いで」
「擦んのやめろ、目腫れるから」
「ゴメン。困らせる気は無かった……し、泣かす気も無かった」
はあ、って溜息と共に肩口に顔を押し付けられて。
涙に濡れた目で見上げたら
そんな目で見んなよ、と苦笑された。
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紫苑(プロフ) - みらいさん» ありがとうございます。また是非読みに来てください！ (2016年4月28日 15時) (
レス) id: 2df7b5cf4c (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - 紫苑さん» これからも頑張って下さい(￣^￣)ゞ (2016年4月28日 15時) (レス) id: 3ab5c05228 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - みらいさん» 修正しました。指摘してくださってありがとうございました！ (2016年4月28日 15時) (レス) id: 2df7b5cf4c (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - (人1さんの作る)と言うのは誤字ですか...？ (2016年4月28日 14時) (レス) id: 3ab5c05228 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 智真さん» こちらこそお久し振りです！いつも読んでくださってありがとうございます。相変わらず超不定期な更新ですがまた読みに来てくださいね。 (2016年3月29日 17時) (レス) id: dc54462010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2016年1月25日 18時
