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｢乗って｣
冷たい声と共に示されたのは潤くんの車。
丁寧に助手席のドアを開けてくれるけど、瞳は冷たい光を湛えたままで。
｢親睦会抜けるなら誰かにそう言わないと……｣
｢もう言ってある｣
｢え？｣
｢もう俺ん所の上司に言ってある、から｣
"頼むから一緒に来てくれよ"
掠れた声でそう言われて逆らえる訳がない。
｢ねぇ、どこに行くつもり？｣
車中で訪ねても、潤くんが踏み込んだアクセルの音に掻き消されたようで彼は答えてくれない。
高速道路を走り出した頃には0時を過ぎていて、窓から吹き込んでくる風が少し肌寒く感じられて。
どこに連れて行かれるんだろう。
いつもなら場所とか目的とかはきちんと教えてくれて。
こんな自分勝手なことをする人じゃないのに。
｢髪、｣
｢え？｣
運転しながら横目でこっちを見た潤くんの言葉で我に帰る。
｢髪伸びたね｣
隣を見た時にはもう潤くんは前に向き直っていて表情は良く分からなくて。
どういうつもりで口にしたのかも分からない。
｢そう…ね｣
｢何で生田と居たの？｣
潤くんの口から生田くんの名前が出て驚く。
あまり二人が仲良いという印象は無かったけれど。
｢喋ってただけよ？｣
｢……ふーん｣
納得いってない様な声に怒るというか呆れてしまう。
｢生田がAの髪に触ってんのが見えてムカついた｣
｢何、それ？｣
｢お前に触って良いのは俺だけだろ｣
瞬間聞こえた台詞に思考が止まる。
彼が見せた初めての独占欲。
恐がるどころか嬉しいと思ってしまった自分は醜いのかもしれない。
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紫苑(プロフ) - みらいさん» ありがとうございます。また是非読みに来てください！ (2016年4月28日 15時) (
レス) id: 2df7b5cf4c (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - 紫苑さん» これからも頑張って下さい(￣^￣)ゞ (2016年4月28日 15時) (レス) id: 3ab5c05228 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - みらいさん» 修正しました。指摘してくださってありがとうございました！ (2016年4月28日 15時) (レス) id: 2df7b5cf4c (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - (人1さんの作る)と言うのは誤字ですか...？ (2016年4月28日 14時) (レス) id: 3ab5c05228 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 智真さん» こちらこそお久し振りです！いつも読んでくださってありがとうございます。相変わらず超不定期な更新ですがまた読みに来てくださいね。 (2016年3月29日 17時) (レス) id: dc54462010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2016年1月25日 18時
