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声も出ずに驚く私と日野さん。
私を突然抱きしめた松本先輩はそのままの状態で日野さんを睨んでいる。
あ…えっと…何か言わなきゃだよね。
「松本先輩…いきなり…」
「日野、もう止めてもらえない？
迷惑なんだよねこういうこと。」
私の発言と被せるかのように松本先輩が話し出す。
「な、何で潤くんがそんなこと…」
「だってこいつが嫌がってるから。」
こいつの所で私の頭にポン、と手を置く先輩。
「自分の彼女が嫌がってるようなこと、彼氏としてはさせておくわけにはいかないだろ。」
は？え？
今先輩は私のこと彼女だって言った？？
(ごめん、ちょっと黙ってて。)
状況に追いつけていない私の耳元で先輩が囁く。
「Aが嫌がるから今まで秘密にしてたんだけど、こいつと俺付き合ってるから。
だからもう俺の周りうろちょろすんな。」
「は？…こんな女の子のどこが…」
日野さんが呟いてるのはただの負け惜しみ、だと思うんだけど少し傷つく。
「お前にはわかんないよ。つーか俺だけがわかってれば良いの。
こいつを悪く言ったり貶めるようなことするんだったら男女関係なく俺がぶっ飛ばす。」
落ち込んだ気持ちをすくい上げるような先輩の言葉に嬉しくなる。
だけどそれは日野さんにとっての追い討ちでしかなく彼女は唇を噛み締めると背を向けて去っていった。
「…やっちゃった。」
「やっちゃいましたね。」
日野さんの姿が見えなくなったところで先輩と二人、安堵の息を吐く。
「ああっ！ごめん。」
私を抱きしめたままだったことに気がついて先輩が離れていく。
それがちょっと寂しいだなんて言えない。
「どうしよこれ…絶対しばらく噂になるな…中村ごめん。」
「いえ…」
「とりあえず暫くは俺の彼女の振り頼んでも良い？」
「良いですけど暫くってどのくらいですかね？」
「人の噂は75日っていうぐらいだから…」
「じゃあ二ヶ月ちょっとですね。」
その間は先輩の彼女で居られるってことか。
うん、悪くないかも。
「うーん…」
「どうしたんですか？」
何かを考えていた先輩が唇を尖らせる。
「二ヶ月ちょっとって短いなと思ってさ。嫌じゃね？」
「それなら終わりにしなければいいんじゃないですか？」
言ってしまってから気づいたけどとんでもないこと言ったな私。
自覚して真っ赤になってる私を見て先輩がくすっと笑う。
「だな。」
先輩のその返事は真っ青な空に吸い込まれていった。
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紫苑(プロフ) - みらいさん» ありがとうございます。また是非読みに来てください！ (2016年4月28日 15時) (
レス) id: 2df7b5cf4c (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - 紫苑さん» これからも頑張って下さい(￣^￣)ゞ (2016年4月28日 15時) (レス) id: 3ab5c05228 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - みらいさん» 修正しました。指摘してくださってありがとうございました！ (2016年4月28日 15時) (レス) id: 2df7b5cf4c (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - (人1さんの作る)と言うのは誤字ですか...？ (2016年4月28日 14時) (レス) id: 3ab5c05228 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 智真さん» こちらこそお久し振りです！いつも読んでくださってありがとうございます。相変わらず超不定期な更新ですがまた読みに来てくださいね。 (2016年3月29日 17時) (レス) id: dc54462010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2016年1月25日 18時
