◇26◇ ページ26
*J side*
俺には母親の記憶がない。
一番古い記憶はきっと…あの真っ赤な悪夢。
気が付いたときには真っ白な服を着せられて
研究所の真っ白な部屋の中にいた。
そこでは俺はJ0830と呼ばれ本当の名も分からず
ただただ研究所の連中に命じられるまま生きていた。
俺が閉じ込められていた大部屋の中には他にもT1007やS1226 K0617と呼ばれる少年達がいて皆で助けあって生きていた…
『俺はカズ…こっちはトーマとシュン。』
3人には名前があるのに俺には名前がない。
それで悩んだときもあったけど
『ならJって呼ぶので良いだろ？』
カズがそう言ってからみんながJって呼んでくれるようになりそれが俺の名前になった。
成長すると二人部屋を与えられて毎日カズと一緒に過ごしてた。
あの悪夢に悩まされる俺をいつも支えてくれて
守ってくれてたのはカズと…翔くん。
あの時の彼はまだ櫻井翔という名前ではなかったけど。
『そこにいるのかJ0830…？』
『誰…？』
その一言が研究者だった翔くんと俺との初めての会話。
あの頃の彼は酷く無機質な顔をしていて
もっと笑えば良いのに…なんて事情を知った今では考えられないようなことを思ってた。
カズもね？何でか最初は翔くんのことを毛嫌いしてたんだけど…何度も守ってもらってるうちに仲良くなった。
その翔くんに連れられて行った研究所の植物園で大野さんとまー…当時はアオとM1224と呼ばれていた二人に出会った。
4人の仲間ができて俺の世界は広がったけど
所詮それもこの研究所の中だけで…
子供ながらにぼんやりと
どうせ俺はこの研究所で一生を終えるのだろうと思っていた。
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とも(プロフ) - こちらからもこんにちは。続きが…めちゃくちゃ気になります。楽しみに待ってます。 (2020年6月7日 14時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 作品見つけ楽しく読ませてもらってます(笑)台詞の前にメンバーだけでも名前あったら良いかな…って思ってしまいました。続き楽しみにしてますね (2016年1月4日 20時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2016年1月1日 21時
