◆11◆ ページ11
カチャリと微かな音を立てて櫻井が松本の部屋に入る。
そっと手を伸ばして松本の目尻に残った涙を拭うと松本は軽く身動ぎをした。
「…ん…しょ…くん？」
「悪い…起こしたか。笑」
櫻井の謝罪に松本はフフと柔らかく微笑む。
「ね 翔くん…ギュッてして？」
「…は？」
「ちっちゃい時みたいに。笑」
(…それはもしかして俺も潤のベッドに入って抱き締めろと言う事ですか？)
そんな櫻井の戸惑いを気にせず松本はタオルケットを捲る。
「…っはぁ。お邪魔しまーす…」
小さくため息をついて櫻井は空いたスペースに潜り込んだ。
「ふふ…あったかい。」
後ろから松本のお腹に手を回しギュッと密着させると幸せそうに松本はそう囁き静かに目を閉じた。
松本が眠るまで…と思いながら櫻井は体を密着させていたが…
疲れと松本の体温も手伝ってか櫻井も静かに寝息をたてはじめた。
同じ布団で寝るのを少し躊躇する素振りを見せたくせに
自分よりも早く寝入ってしまった櫻井に松本は笑わずにはいられない。
(昔もこんなことがあったな…)
櫻井の寝息を首筋に感じながら松本は遠い過去の記憶を甦らせていた。
あれは確か松本が5歳くらいの事。
昼間に読んだ本に出てきたオバケが怖くて眠れなくなっていた松本を不器用な手つきで撫でながら寝かせてくれたのが櫻井だった。
大きな体でギュッと抱き締めて松本が寝るまでずっと隣にいてくれた。
当時既に二十歳前後の青年だった櫻井には恥ずかしい事だったかもしれない…
とその年齢に達した今の松本には思えるが
櫻井は今も昔も本気で拒絶はしなかった。
(本当に変わらないよなこの人は…)
フフッと笑うと松本は今度こそ穏やかな眠りについた。
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とも(プロフ) - こちらからもこんにちは。続きが…めちゃくちゃ気になります。楽しみに待ってます。 (2020年6月7日 14時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 作品見つけ楽しく読ませてもらってます(笑)台詞の前にメンバーだけでも名前あったら良いかな…って思ってしまいました。続き楽しみにしてますね (2016年1月4日 20時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2016年1月1日 21時
