今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:103,478 hit
小｜中｜大
どら焼 [J side] ページ14
収録の休憩時間、差し入れのコーナーを見ると美味しそうなお菓子が並んでいる。
のど飴のお礼に何か持って行くか。
そう考えながら見ていると、どら焼が目に留まった。
そういえばAはどら焼が好きだったっけ。
中学の頃、仕事が無い日はAと一緒に帰っていた。
学校からの帰り道に美味しい和菓子屋があってよくAはどら焼を美味しそうに頬張っていた。
「めっちゃうまそうじゃん
一口ちょうだいよ」
「ダーメ！」
そう言って君は俺に笑顔を見せてくれていた。
なぜだろう。
君の笑顔を思い出すと心の中がポカポカと暖かい気持ちでいっぱいになる。
昨日の笑顔もそうだった。
やっぱり、俺……
そこまで考えた時、スタッフが俺を呼ぶ声が聞こえた。
「今行きます！」
そう答え、手に持っていたどら焼をバッグの中へ滑り込ませた。
飛行機雲が窓の向こうに見える。
明日は雨かな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫苑
| 作成日時：2014年8月5日 17時
