別れた理由 ページ33
✴︎✴︎
「…え？」
シムが事も無げに口にした言葉に、一瞬止まった。
「…なんて？」
「だから、Aさんと俺は別れました」
「…えっ？！な、なんで？どうして？！」
あんなに仲良さげだったのに…！
「……韓国で別れた彼女と…数日前に札幌で再会して…それで…」
その言い草にカッとなって
気付けばシムの襟元を締め上げていた。
「おっ、お前っ！元カノと会ったからってAをすてたのかっ？！」
身長のほとんど変わらないシムは
そのままの体勢でじっと俺の目をみつめる。
「……結果的には…そうなりますね……」
少し、落ちた瞳で
でも落ち着いた声で、それだけを言った。
俺の中でシムとはにかんで笑い合うAの姿が甦る。
「…お、まえ…っ！
Aとはそんな簡単に終われるようなもんだったのか？！」
襟首を掴む手に力が入る。
俺は、お前なら、と思って……！！
「本気で好きなんじゃ無かったのかよ！！」
「好きでしたよ！！」
シムが
揺れる瞳で俺を真っ直ぐに見た。
「…カフェで背筋を伸ばしてお客様を待つ姿も、
どんなお客様に対しても変わらない態度も、
厨房の人間にも気遣いのできるところも、
ちょっとだけドジな所も…
…好きですよ」
俺にされるがまま、言葉を繋ぐシム。
「……元カノのことを…
もしかしたらすっきり忘れられるかもしれない…、
そんな風に思えるくらい
Aさんを好きでした」
…この男に嘘はない、と
俺は心のどこかで思ってる。
確かにAに向かった気持ちを俺も感じ取ったから…
だからこいつには任せられると
そう思えたんだ…。
襟を掴む手の力が抜けて
俺もシムも
立ちすくんだ。
「そんな俺に…
偶然カフェで再会した元カノを
迷わず追いかけろ、と言ってくれる様なAさんが…
好きなんです」
…Aが……？
「…だから
許せないんです。
Aさんが…こんな風に傷つけられるのが不本意で仕方ない…！
あんたの間違った判断で招いたこの事態が腹立たしくて仕方ないんだよ！！」
激昂したシムが
今度は俺の胸ぐらを掴んで
その顔を真近に近づけて言い放った。
目を見開いた俺を見据えたシムは
やがて
ゆっくりと腕を離す。
「……Aさんは
俺の幸せを考えて…
俺を後押ししてくれたんです」
シムの眉が八の字になった。
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ゆうの(プロフ) - とらさん» はい！もうすぐです！卒業式のあと、ヒロインが謝恩会に来ないことを知った時のユノの行動がターニングポイントになります！あと一息だあ〜〜！ (2016年11月2日 18時) (
レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
とら(プロフ) - 卒業式もすぐだから、いい方向に向かっていきますように。マネには同情なんて絶対しないぞぉ！！ (2016年11月2日 15時) (レス) id: 967f0a93b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさん、お返事遅くなりました^_^; マネは裏で慌てまくってますよ！ (2016年11月2日 8時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - マネよ…慌てて苦しめばいい(*｀艸´) (2016年10月30日 20時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました〜〜m(_ _)m シムは秘かに影で暗躍してます！！ (2016年10月30日 16時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年9月19日 1時
