未経験 ページ25
✴︎✴︎✴︎
次の日もマネージャーは普通に練習に参加していた。
「…俺、女って生き物がよく分からなくなってきた…」
俺の隣でストレッチする拓海が
至って普通にサークルの仕事をこなすマネージャーを見てため息をついた。
「……Aちゃんみたいな子、他にもいるよな？愛梨が普通なわけじゃないよな？？」
すがるような目で見る拓海がなんとも不憫になる。
「俺、こんな見た目だけど中身は今も昔のままの身持ちの堅い男なんだからな！
Aちゃんがまともに好きになった初めての相手なんだから
お前と違って経験ないんだから、このまま愛梨にやり込められると、俺の女のイメージ最悪になっちまうよ〜！」
嘆きながら床に突っ伏す拓海。
なんだか今、引っかかる言葉が…
「……今、なんてった？」
「あん？女のイメージ最悪になる」
「その前」
「Aちゃんみたいな子、他にもいるよな？」
「その前」
「…お前と違って経験ないし」
「それだ」
「何が？」
「…俺も同じだ」
「何が？」
「…経験」
「…………は？」
「だから、お前と同じだっつってんだよ」
「…………」
拓海の目が
みるみる見開かれていって
落ちんばかりになる。
「はいーーーーーーーっ？！」
雄叫びと共に立ち上がった拓海は
体育館中の注目を集めた。
「……そんなに驚くか？」
なんとなく気恥ずかしくなってきたぞ。
「え？ええ？え？どゆこと？？
まじ？？まじで未経験者なの？お前！！」
今度は縮こまって俺のそばにやってきて耳打ちする。
「……キスしかしたことねーよ」
それも昔の彼女に半ば無理やり。
事実を伝えた。
「うっそーーーーーーん！」
雄叫びと共に後ずさる拓海。
…なんだそりゃ。
近づいたり遠のいたり、小声になったり叫んだり、
忙しい奴だなぁ。
「まじかよ！
あんなよりどりみどりなのにそうなの？！お前！」
今度は目一杯近づいてきた。
「…悪りぃかよ。
これといってしたいとも思わなかったんだから仕方ねーだろ」
これも、事実だ。
俺ってすげー淡白みたい。
「へえぇーーーーーーーっ！」
匠が目を見開いて俺を見る。
なんだかとても物珍しそうに。
さらに、嬉しそうに。
✴︎✴︎✴︎
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - とらさん» はい！もうすぐです！卒業式のあと、ヒロインが謝恩会に来ないことを知った時のユノの行動がターニングポイントになります！あと一息だあ〜〜！ (2016年11月2日 18時) (
レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
とら(プロフ) - 卒業式もすぐだから、いい方向に向かっていきますように。マネには同情なんて絶対しないぞぉ！！ (2016年11月2日 15時) (レス) id: 967f0a93b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさん、お返事遅くなりました^_^; マネは裏で慌てまくってますよ！ (2016年11月2日 8時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - マネよ…慌てて苦しめばいい(*｀艸´) (2016年10月30日 20時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました〜〜m(_ _)m シムは秘かに影で暗躍してます！！ (2016年10月30日 16時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年9月19日 1時
