シムの力 ページ23
✴︎✴︎✴︎
「今までも…邪魔だと思う女相手にそんなやりとりをしてきたみたいですよ。
それを聞いて、男は勝手にあれやこれやと動くわけだ。
全く……
女はズル賢いし、男は馬鹿だし…」
シムが頭を横に振りながら
また、ゆっくりとソファに沈む。
「…で、どう、しますか？」
シムが俺を真っ直ぐ見る。
「…Aに…謝罪させたい。
そう思って彼女の所へ行ったら…
自分は何もしていない、と。
やった証拠があるのか…と」
俺の言葉にシムは大きく息を吐いた。
「…揃えましょう？証拠」
シムの瞳に力が入った。
「…え？」
「あらゆる手を使って集めますよ？
言いましたよね？俺、こう見えてかなり力があるんです。
まあ、俺、じゃなくて正確には親が、ですけど」
そう言って一瞬笑ったシムだけど
また、直ぐにその瞳の余裕は消えた。
「誰かさんと違って親の力に頼るのは性に合わないんですけどね、
こうなっては背に腹は代えられません。
そこまで言うのならこちらもそれなりの手は打たせてもらいます。
良いですね？」
何も言えずにいる俺の顔を
覗き込むようにシムが言った。
…正直、今の俺にはなんの力もない…
俺はゆっくりと頭を下げた。
「……俺の軽率な判断のせいで…
迷惑をかけてしまって本当に申し訳ない…。
手数をかけるけど…
…よろしく…お願いします……」
Aを助ける事も出来ず
Aを救う事も出来ず…
己の無力をまざまざと見せつけられる。
情けなさで膝の上の拳に力が入った。
「……では、また明日、同じくらいの時間に来てもらえますか？
それまでに集めますから」
シムの言葉に思わず目が丸くなり、顔が上がった。
「えっ…！」
「モタモタしてたら卒業式ですよ？
大丈夫です。
それだけの力はありますから。
明日、来てください」
…一体、このシムと言う男は…
A…お前、どんな男と付き合ってるんだ…？
それ以上は何も聞くことは出来ず、
シムの迫力に押されたまま、今度は裏の従業員出入り口から店を後にした。
……今は、なんでもいい。
Aへの対応が一番だ。
シムの力を借りてなんとかなるのならそれでもいい。
そう決意も新たに
俺は家路を急いだ。
✴︎✴︎✴︎
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - とらさん» はい！もうすぐです！卒業式のあと、ヒロインが謝恩会に来ないことを知った時のユノの行動がターニングポイントになります！あと一息だあ〜〜！ (2016年11月2日 18時) (
レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
とら(プロフ) - 卒業式もすぐだから、いい方向に向かっていきますように。マネには同情なんて絶対しないぞぉ！！ (2016年11月2日 15時) (レス) id: 967f0a93b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさん、お返事遅くなりました^_^; マネは裏で慌てまくってますよ！ (2016年11月2日 8時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - マネよ…慌てて苦しめばいい(*｀艸´) (2016年10月30日 20時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました〜〜m(_ _)m シムは秘かに影で暗躍してます！！ (2016年10月30日 16時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年9月19日 1時
