春なのに ページ14
✴︎✴︎✴︎
ガツッ、と。
鈍い音と共にまた拳に激痛が走る。
怒りのあまり
今度は門扉を相手に喧嘩を売った。
俺の話が通らなくて
苛立ちはピークにくる。
「…じゃあ、
証拠を持ってきてやるよ。
揃ったら…Aに謝罪してくれるんだろうな…？」
更に低さを増した俺の声。
『……無駄ですよ？
私じゃないし』
返してくるマネの言葉に
俺は大きく深呼吸する。
……落ち着け、俺。
いずれは法曹界で働くつもりなんだ。
こんなことでいちいち動揺してはいられない。
腹を立ててはいられないんだ。
冷静にならなくては…。
これ以上、口を開くと
更に腹立たしいことになりそうで
俺は無言のままマネの家を後にした。
帰り道
苛立たしくて仕方ない俺は
何もかも払拭したくて
体力の続く限り走った。
3月半ばだというのに降った雪で歩道は雪が積もっていて
真冬の凍てつく季節とは違うから
付けた足跡のそばから溶けていく。
これから北国にも春がやってくるというのに
どうして俺はこんなに寒いんだろう。
幾つかの地下鉄の駅を走り過ぎ
さすがに疲れて途中で地下鉄に乗ろうと構内に足を踏み入れた。
扉をあけて中へ入った瞬間
ふわりと
暖かい空気が俺を包む。
その瞬間浮かんだのは
幸せそうだったAの寝顔。
俺の知ってる柔らかな笑顔と
そしてそれに似つかわしくない頬の色。
その二つが俺の心の中に渦を巻き
涙がこぼれた。
悔しくて
申し訳なくて
悲しくて…。
道行く人がどう思うか、なんて考えられなくて
ただ
壁にもたれかかるように泣いていた。
しばらくして
そんな俺の意識を現実に戻すスマホの着信音が聞こえた。
✴︎✴︎✴︎
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ゆうの(プロフ) - とらさん» はい！もうすぐです！卒業式のあと、ヒロインが謝恩会に来ないことを知った時のユノの行動がターニングポイントになります！あと一息だあ〜〜！ (2016年11月2日 18時) (
レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
とら(プロフ) - 卒業式もすぐだから、いい方向に向かっていきますように。マネには同情なんて絶対しないぞぉ！！ (2016年11月2日 15時) (レス) id: 967f0a93b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさん、お返事遅くなりました^_^; マネは裏で慌てまくってますよ！ (2016年11月2日 8時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - マネよ…慌てて苦しめばいい(*｀艸´) (2016年10月30日 20時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました〜〜m(_ _)m シムは秘かに影で暗躍してます！！ (2016年10月30日 16時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年9月19日 1時
