ボーイズトーク 3 ページ16
✳
「おっ？！おしっ？！
ばっ…ばっかやろ！
お前飲み過だぞ、浩太！！」
力説に声が大きくなる浩太の口を慌てて両手で塞ぐも
反対にがっしりと握り返された。
据わった目でにじり寄られる。
「ユノォ！！これは冷やかしでも冗談でもなく！
紛れも無い事実なんじゃああ！！」
「こっ、浩太、落ち着けって！！」
珍しく悪酔いしている浩太。
普段なら大したことのない酒量なのに今日はなんだか随分飲まれてる感がある。
「ちくしょーー！！女なんか……！
女なんかーーー！！」
「………え？」
どうやら最近できた彼女と速攻で別れる結果になったらしい。
「ちくしょー！俺はもう女なんて信じねーぞーー！」
カウンター席に突っ伏す浩太の背中をトントンと叩いて慰める。
「…はいはい。
相手が悪かっただけだよ。ちゃんと浩太にぴったりの女の子が現れるよ！」
まともな男女交際を知らない俺には正直言ってよくわからんが
とりあえず目の前で嘆いている親友を無下には出来ない。
それにしても
別れる理由が相手の浮気で
しかも相手の方がその……上手いからだとか………
よくわからんけど
そんな事言われたら男は凹むよな……
「ユノ〜〜！！
気をつけろよ〜〜？Aだって所詮は女だ！
残酷で冷酷で薄情な生き物なんだからな！！」
そう言って詰め寄ってくる酔っ払いの浩太に
反論した所で多分無駄だ。
Aはそんなんじゃない！と反論したいところをぐっと堪えた。
気が付けば
散々浩太の愚痴を聞かされ
俺は
ひたすらそれをなだめ続ける。
最終的には結構な酔っ払いと化した浩太を
なんとかタクシーに詰め込んで、行き先を告げて送り出した。
「……はぁ」
そんな浩太を面倒みていたせいで
俺はほとんど飲めていなくて
そして酔っていない。
なんだかそのまま帰る気にもなれず
なんとなくタラタラと歩いていたら
ある店の前に行き着いた。
いや
心のどこかで求めていたのかも知れない。
何がわからなくて
何が知りたいのか
何を話したくて
何を聞きたいのか
よくわからないまま
俺はその店の扉を開けた。
✳
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 510人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» 私の中でのイメージはフワちゃんです。一応美女、なので顔は……^_^; (2020年8月23日 15時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - まさかユノの家探しにJKが(oﾟДﾟﾉ)ﾉ (2020年8月22日 19時) (レス) id: f095ecfa37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まいさん» なかなか進まず、申し訳ないです〜。地味〜に続いております。今後ともよろしくです！m(_ _)m (2020年8月18日 16時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» お返事が遅くなっておりました^_^; かえるさん、ごめんなさいねーー！！！ (2020年8月18日 16時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
まい - ゆうのさん、「苺とチョコ」のお話の更新ありがとうございます！こちらのヒロインはユノさんと同い年なので、感情移入しやすくてワクワクします♪実里ちゃんみたいな友達欲しいです(笑) (2020年5月8日 21時) (レス) id: 07f9b9444b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年6月22日 17時
